お借りしました(後書き的な何か)

文字数 2,700文字

お読み頂き、ありがとうございました。


このお話は、「ブロマンス」というお題で書いたものです。

カクヨムさんに、小説がございます。こちらは、とあるプリンスが、彼の思想信条を探るスパイに、自分の愛読書を語って聞かせる、という、入れ子構造になっております。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054887051396

シラー作『ドン・カルロス』を、大変愛読していたプリンスがいました。これは、実話です。


「すらりとした長身、美貌の孤独な青年が一人この詩(筆者注、「ドン・カルロス」の中の詩句)を口ずさむ時、何か危機迫る悲壮な雰囲気が漂っていたと」(塚本哲也『マリー・ルイーゼ』)彼の家庭教師の先生が回想しているそうです。


このプリンスとは、ナポレオン2世ライヒシュタット公のことです。ええ、あのナポレオンの「正当な」たった一人の息子です。ナポレオン(父)とナポレオン3世(従兄)に挟まれた、日本では謎の存在……。


彼が主役の小説を、只今、連載中です。父ナポレオンの絶頂期から没落にかけての時期から語り始め、残された幼児の境遇(そして、健気でかわいらしいエピソードの数々!)までは、実話です。その後は、史実を踏まえつつ、彼の死の謎に挑んでいきます。


ナポレオン2世を主役にした小説(評伝も含めて)は、日本では、他にありません。ちょっとしたウンチクを語る際、お役に立てると信じます。また、後半も、ベートーヴェンやシューベルトの死の謎に触れ、ナポレオン2世についても、可能な限り、実話を盛り込んでいます。彼は、大変魅力的です。

「カクヨム」さんで連載中です。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054885142129


novel days 版「『ドン・カルロス』異聞」は、二次創作に近い作品です。ナポレオン2世の愛読書というので、私も原作(翻訳)を読んでみて、「岩波文庫に、こんな、 萌え萌えの BL  感動的な友情の物語が……」と驚いたのが、執筆の動機です。


原作と翻訳へのオマージュをこめて、書きました。

シルレル作『ドン・カルロス』(佐藤通次訳、岩波文庫、2005年第4刷)



原作の著作権は切れているのですが、翻訳の方がまだなので、まるっと引用している所はありません。ですが、言葉を変えたり口語表現にしたりして、同じことを言っているところは、あちこちにあります。該当箇所には、文末に、を付しておきました。ただし、日常よく使われる句や文型は、この限りではありません。



岩波版『ドン・カルロス』、初版は、1940年。まるで、歌舞伎の台本を読んでいるような味わい深い翻訳です。

もっともっとお勧めしたいのに、現在品切れになっているのが、残念です。


シラー(シルレル)の原作は、1787年刊。英語にも翻訳されており、英語版も、電子書籍などで無料で入手できます。

作中の画像につきましては、パブリック・ドメインの作品を拝借しました。

また、以下に言及のないアイコンは、公式さんからお借りしました。

●表紙絵

Don Carlos in einem Stahlstich nach einer Zeichnung von Friedrich Precht, 1859  (wikipedia)  [cropping]



●「1 お前は、ひどい!」

・宮殿と庭園の写真

"View from Great Parterre towards Gloriette (app. towards South)."  (wikipedia)

・柱の陰からロドリーゴを覗くカルロス

[Image synthesis]

・コリントスのアポローン神殿  (wikipedia)

Louish Pixel  "Danbo and Sack Boy tattle-tale 27/365"  (https://www.flickr.com/photos/louish/5394376741)   [cropping] [ partly flip horizontal]

 

●「2 鞭打ちの刑」

・庭園の写真

"View from the garden" [Schloss Schönbrunn und Garten]  (wikimedia)

・弓矢と女性のイラスト

Chelsey Barnes Follow “Bow Girl”  (https://www.flickr.com/photos/grossnoises/6961972563 )


●「4 アルカラから帰って」

・大学の写真

Keith H Follow  “Trinity College”  (https://www.flickr.com/photos/qatsi/5174411173)


●「6 王妃との密会」

・猫のアイコン

KayVee.INC  "The right idea"  (https://www.flickr.com/photos/kayveeinc/4518187950)

 [cropping] [brightness and contrast correction]


●「7 まるで囚われ人のように」

・鳥かごの鳥

Malay Maniar  “Trapped ---A view from the "other"
side”  (https://www.flickr.com/photos/malaymaniar/2017492995/)


●「13 曇らない心」

・牢の写真

aleph.oto  “the prisoner”  (https://www.flickr.com/photos/alephoto/268642586/)


●「14 友を抱く資格」

・銃の写真

Asique Alam Follow  “Ahh the old guns..”  (https://www.flickr.com/photos/kazechan/5329098038)


●「16 全くの蛇足」

・女性の横顔

Don Karlos, Leipzig, 1787  (wikipedia)  [cropping]

*シラーの初版本の扉絵です

ありがとうございました!!

Thanks a lot!

こんなところまでお読みくださり、ありがとうございました。せりももは、ホームページを持っております。


"Read me in onesitting"

http://serimomo139.web.fc2.com/


オリジナル小説への、リンクが張ってございます。よろしければ、遊びにいらして下さい。



ではでは。また。

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登場人物紹介

ドン・カルロス


イスパニア(スペイン)の王子

カルロスの子ども時代

ロドリーゴ・ボーサ侯爵


カルロスの親友



ロドリーゴの子ども時代

フェリーペ2世


イスパニアの国王。カルロスの父。暴君

エリザベト王妃

フランス王室出身。はじめ、カルロスの婚約者だったが、カルロスの父、フェリーペ2世と結婚し、カルロスの「母」となる

エーボリ公女


カルロスに恋していたが、カルロスが王妃を愛しているとわかり、敵になる

レルマ伯爵

カルロスの忠臣

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