9 王が求めていた男
文字数 1,270文字
王は、机の上の、人名簿を手にとった。デタラメにページを繰ってみる。
……ん? これは、誰だ?
ボーサ侯……。帰国したばかり……。んんん? わしの筆跡で、星印がついてるぞ? えーと、誰だっけ? まだ若いな。カルロスとあんまり変わらないじゃないか。なぜ、こいつは、わしのところへ、挨拶に来ないのだ?
王はさっそく、ボーサ侯を、御前に召した。
ロドリーゴは一人、王の前を辞した。