再びヤンゴン① 「麦"笑"帽子」
文字数 489文字
ヤンゴン駅には、元旦になる直前に戻ってきた。
つい数日前までそこは、旅先の駅でしかなかったはずなのに自然と口から「ただいま!」という言葉がこぼれた。
電車の手配でお世話になったミャンマー人の方にもう一度会いたくなり、駅舎まで走った。往路ではそんなこと、考えもしなかったというのに。
この街に自分を知っている人が少なくともひとりはいるのだと思うと、この上ない安心感と心強さをもらうことができた。
しかし、お世話になった駅舎の人たちが私を見た瞬間、いっせいに歯を見せて笑ってきたのだ。
何事かと思い、すぐに「何がおかしいのか聞いてみてよ」と兄に頼んだ。
すると、思いもよらない言葉が返ってきた。
このとき私は、インレー湖で買ったツバの大きい麦わら帽子を被っていたのだが、
「それは、田舎でしか被らないものよ!」
と盛大に笑われてしまったのだ。
この展開には私もおかしくて笑いが止まらなくなった。
あとあとこのことを思い出すと、現地のひとに笑われるほど短期間で自分は、ずいぶんとその土地に馴染めたのだなと知り、とても感慨深かった。
……いや、やっぱり笑いのほうが先にきちゃうわけで。
つい数日前までそこは、旅先の駅でしかなかったはずなのに自然と口から「ただいま!」という言葉がこぼれた。
電車の手配でお世話になったミャンマー人の方にもう一度会いたくなり、駅舎まで走った。往路ではそんなこと、考えもしなかったというのに。
この街に自分を知っている人が少なくともひとりはいるのだと思うと、この上ない安心感と心強さをもらうことができた。
しかし、お世話になった駅舎の人たちが私を見た瞬間、いっせいに歯を見せて笑ってきたのだ。
何事かと思い、すぐに「何がおかしいのか聞いてみてよ」と兄に頼んだ。
すると、思いもよらない言葉が返ってきた。
このとき私は、インレー湖で買ったツバの大きい麦わら帽子を被っていたのだが、
「それは、田舎でしか被らないものよ!」
と盛大に笑われてしまったのだ。
この展開には私もおかしくて笑いが止まらなくなった。
あとあとこのことを思い出すと、現地のひとに笑われるほど短期間で自分は、ずいぶんとその土地に馴染めたのだなと知り、とても感慨深かった。
……いや、やっぱり笑いのほうが先にきちゃうわけで。