Stage5 鬼ヶ島 地下道
文字数 1,193文字
古き物資輸送路は鬼城二の丸へと繋がる
泣く子も黙るとうたわれた
おそろしき鬼の棲むところ
すまなかった。勢いで勝手に君まで志願兵ということにしてしまった
けれど君はこの世界の核に触れようとしているんだろう? ならば鬼についても知っておくべきだと思う。彼らは
回楼京の侍と並んで、間違いなくこの世界の中心にいる存在だ
驚いたのは、よく京の侍連中が俺たちの志願を信じて受け入れたなってことだ
ま、白状すると君の強さのおかげなんだけどね。君の力を将軍も高く評価しているらしい
褒められるいわれはないんだがな。
そういえば、あんた、弓使いの男とは話せたのか?
あれが鬼か。
子供のように見えるが、単独でこの数を?
ここまでやって来てこんなことを言うのはどうかと思うが、俺は人間の兵士として鬼を討伐することはしない。正確には“できない”んだ
かといってあんた達鬼の味方をするつもりもない。この戦局に影響するような行動自体、できる限り控えなくてはならない。それが“異界渡り”だ
だが小僧、あんたが俺に攻撃してくるなら
躊躇わず応戦する。その許可は得ているからな
長良。聞いてのとおりだ。俺にはこの鬼を殺すことはできない。とどめが必要だと感じたら、あんたがやれ
腹をくくれよ。その場しのぎの嘘とはいえ、兵隊になった以上こういう状況が来ることくらい予想していただろう。自分の命は自分で守れ
……僕があなたたちを仕留めなければ、あなたたちは兄様の元へ行くでしょう?
させないよ。あなたたち
有象無象は、数で攻めれば兄様を倒せると思っている。
鬼王キリコは孤独な王様だからと
でも違う。僕がいる。僕も戦う。兄様をひとりになんてしない! おまえたちは全員、ここでおしまいだ!
和邇様! 何故ここに! どうして鬼なんかになってしまっているのですか!
ああ。だがここにいた子供の鬼が逃げた。名は“
和邇”と
和邇だと?
鬼王宇羅部キリコの義弟だ。奴がここにいたのか?
まだ遠くにはいっていないはずだ。追うぞ。
宇羅部ともども、
和邇も仕留める
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