第5話 エリート街道と婚姻
文字数 1,485文字
大学に通いだしても、女性を取っかえ引っかえし続けた。
それでも、勉強は手を抜かず努力した。
その甲斐あって、優秀な成績を保ち一流企業である加藤中商社 に入社することができた。
入社してからも、業務には懸命に取り組んだ。
相変わらず女性に困ることなく、同期入社に、先輩、他部署、取引先の女性と、心ゆくまで色欲を満足させていた。
男性社員としては一人、西条清隆 という奴が目障りだった。
奴も優秀で、自分は出世競争の一番のライバルだと意識していた。
ところが取引先に行ったときに、色目を使ってくる女性社員がこっそり教えてくれたのだ。
「言いずらいんだけど、秘密にしてね。西条さんって人、うちの会社の既婚女性と不倫しているのよ」と。
『しめしめ。これで奴は終わりだ!』
これを使わない手はない。
自分が発信元と分からないように、これまた自社で色目を使ってくる女性社員を使って噂話として流した。
しばらくすると目論見通り、西条は上室 に呼ばれ事実確認をさせられた。
結果、左遷の辞令が下ったのだ。
『ははははははー。これで邪魔者は消えた』
と大喜びした。
その他の出世の邪魔になる奴も、不利な情報を掴むと学生時代のように噂を流して失脚させた。
ただ、上司には出世して貰わないと自分のポストが空かないし、引っ張りあげて貰えないので、上手な関係を築くようにしていた。
『出世したくば、まず上司を出世させろ』
の鉄則をビジネス本で学んでいたのだ。
そのために、自分の成果を上司の手柄にして忍耐を重ねた。
上司も自覚しており、自分を心底信頼してくれ引っ張りあげてくれていたので、大人しくしていた。
お陰で出世コースに乗り海外勤務で、アメリカなどにも行った。
語学は大変だったが、出世のためだと努力した。
無論、先々で異国の女性とも情事を重ね甘い蜜を吸いつつ、順調に功績をあげていった。
海外勤務を7年ほど続けた後、日本本社に呼び戻された。
この時、34歳になっていた。
そのまま海外常任が、出世コースなのだが仕方ない。
逆らって嫌われてしまっては出世できないため、素直に従い帰国した。
しかし、日本本社で異例の扱いの出世コースだったと分かった時には、歓喜の声を上げた。
本社勤務に戻り落ち着いた頃、伝統ある家柄の女性との見合い話が舞い込んできた。
『名前は赤峰恵 で、年齢は27歳か。ラッキーだが、ルックスはどうだろうか』
と心配したが、案ずるより産むが易しだった。
どストライクの綺麗系美人であった。
いかにもお嬢様らしい漆黒の髪色で、セミロングのソバージュのかかった髪型も印象的だ。
相手の女性も、自分を大変気に入ってくれたらしく見合いが決行された。
見合いの席で意気投合し、そのまま結納、結婚式までつつがなく進み夫婦となった。
流石に女遊びはやめており、純粋に
『この女性を幸せにしてあげたい!』
と思っていた。
夫婦円満で、跡取りの男児(勇真 )も産まれ順風満帆であった。
そうなると刺激を求め、再び他の女性との情事を重ねる日々に戻っていた。
『会社や取引先、そして妻にバレなきゃいいのさ。そんなヘマはしない』
と自信満々であった。
そんな日々を過ごし、43歳には異例の出世で経営層の役員にまで上り詰めていた。
全てが順調で、高笑いしてしまう。
このところ妙な頭痛がするが、神経を使っているのは確かだからと気にしなかった。
そんなことより、今日は前から狙っていた取引先の女性を陥落させる日だ。
と言うか、既にほぼ落としている。楽しみだ。
その夜、ターゲットの女性を見事口説き落とし甘い一夜を共にした。
それでも、勉強は手を抜かず努力した。
その甲斐あって、優秀な成績を保ち一流企業である
入社してからも、業務には懸命に取り組んだ。
相変わらず女性に困ることなく、同期入社に、先輩、他部署、取引先の女性と、心ゆくまで色欲を満足させていた。
男性社員としては一人、
奴も優秀で、自分は出世競争の一番のライバルだと意識していた。
ところが取引先に行ったときに、色目を使ってくる女性社員がこっそり教えてくれたのだ。
「言いずらいんだけど、秘密にしてね。西条さんって人、うちの会社の既婚女性と不倫しているのよ」と。
『しめしめ。これで奴は終わりだ!』
これを使わない手はない。
自分が発信元と分からないように、これまた自社で色目を使ってくる女性社員を使って噂話として流した。
しばらくすると目論見通り、西条は
結果、左遷の辞令が下ったのだ。
『ははははははー。これで邪魔者は消えた』
と大喜びした。
その他の出世の邪魔になる奴も、不利な情報を掴むと学生時代のように噂を流して失脚させた。
ただ、上司には出世して貰わないと自分のポストが空かないし、引っ張りあげて貰えないので、上手な関係を築くようにしていた。
『出世したくば、まず上司を出世させろ』
の鉄則をビジネス本で学んでいたのだ。
そのために、自分の成果を上司の手柄にして忍耐を重ねた。
上司も自覚しており、自分を心底信頼してくれ引っ張りあげてくれていたので、大人しくしていた。
お陰で出世コースに乗り海外勤務で、アメリカなどにも行った。
語学は大変だったが、出世のためだと努力した。
無論、先々で異国の女性とも情事を重ね甘い蜜を吸いつつ、順調に功績をあげていった。
海外勤務を7年ほど続けた後、日本本社に呼び戻された。
この時、34歳になっていた。
そのまま海外常任が、出世コースなのだが仕方ない。
逆らって嫌われてしまっては出世できないため、素直に従い帰国した。
しかし、日本本社で異例の扱いの出世コースだったと分かった時には、歓喜の声を上げた。
本社勤務に戻り落ち着いた頃、伝統ある家柄の女性との見合い話が舞い込んできた。
『名前は
と心配したが、案ずるより産むが易しだった。
どストライクの綺麗系美人であった。
いかにもお嬢様らしい漆黒の髪色で、セミロングのソバージュのかかった髪型も印象的だ。
相手の女性も、自分を大変気に入ってくれたらしく見合いが決行された。
見合いの席で意気投合し、そのまま結納、結婚式までつつがなく進み夫婦となった。
流石に女遊びはやめており、純粋に
『この女性を幸せにしてあげたい!』
と思っていた。
夫婦円満で、跡取りの男児(
そうなると刺激を求め、再び他の女性との情事を重ねる日々に戻っていた。
『会社や取引先、そして妻にバレなきゃいいのさ。そんなヘマはしない』
と自信満々であった。
そんな日々を過ごし、43歳には異例の出世で経営層の役員にまで上り詰めていた。
全てが順調で、高笑いしてしまう。
このところ妙な頭痛がするが、神経を使っているのは確かだからと気にしなかった。
そんなことより、今日は前から狙っていた取引先の女性を陥落させる日だ。
と言うか、既にほぼ落としている。楽しみだ。
その夜、ターゲットの女性を見事口説き落とし甘い一夜を共にした。