金星

文字数 188文字

窓からの夕陽はナイフのようで
黒板の呪詛は三色のチョーク
明日になっても消えてはくれない
花瓶に狂い咲く白百合の香り
とある本によると
どうやら
生まれたことそれ自体が失敗らしい

窓からの朝陽は讃美歌のようで
部屋に横たわるペットボトルの空虚
十年経っても脳裏を巡る
有象無象から贈られたはなむけ
とある本によると
どうやら
人は一度しか死ななくていいらしい

金星まではあと何光年?
機械は自ら電源を切った
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