臨終の詩

文字数 246文字

 足指の断崖から融けていく
 有限の生から無限の無へと
 刹那後に一体と化す無秩序に
 未だに親近感を抱けずにいる

 早くも半量が烏有に帰し
 昔日の音楽が溢れ出した
 いわく、
 愛に人格を付与した結果
 神へと呼び名を変えたらしい

 不在の乳房はもはや半壊
 感覚は急速に自壊していき
 自戒することに疲弊した心が
「ありがとう」で終わりたがっている

 赦し
 愛し
 讃えた
 ひとえに我を

 いよいよもって生命の本質に至り
 机上の空論に過ぎない空が薫った
 やまない耳鳴りが虚無と溶け合い
 塵埃に似た平等はここに完結した
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