男と鰐

文字数 182文字

男は鰐に肉を与える
自分自身から切り取った肉を
自分が次第に減っていく
男はいつになったら死ぬのだろう

快哉の果て
節介な舟

男は鰐に肉を与える
残りもいよいよ減ってきた
自分が自分ではなくなりそうだ
そう考える男は紛れもなく男である

絶対の枷
老獪な羽根

男は鰐に肉を与えた
刹那 男は男ではなくなった
男は男ではなくなったことを認識しない
食べ足りない鰐は口を開けている

熱帯の汗
けったいな夢
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