予感 #6

文字数 191文字

 わたしの言葉に、美輝は眉根をひそめる。

「えっと、もしかして夢でも見たの?」

「違う! 夢なんかじゃないの。もうすぐこのバス、湖に落ちるのよ!」

 思わず声が大きくなってしまい、通路を挟んだ横隣の人達が怪訝な顔をしてこちらを覗き込んでくる。

「あの、琴音……。なんか怖い夢見たんだろうけどさ。大丈夫だからね」

 美輝が、震える手をそっと優しく握ってくれる。

 わたしはその手を強く握り返した。

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み