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文字数 469文字



何気ない昔のフォトグラフ
その時のわたしは悲しかったのだと
何年も経ったのに見てとれる
どうしてかは思い出せないけど
喜怒哀楽の根源は
大体恋人になる人が起因だから
きっとこの時のわたしも
その時好きだった誰かの
何かに悲しみを抱いて
こんな笑顔になったんだろう
でも誰が好きだったかまでは
覚えてないし思い出したくない
今が大切だと言い聞かせる
過去は学びをくれても
取り返すことは絶対できないから
明日別れを告げたとしても
好きと思ってた人は
わたしが何も変わらないと
きっと思うことでしょう
でもわたしにとって自分との関わりは
切れないものだから
その中でほんの少しずつ
大人になってきたと一人喜ぶはず
わがままな部分も
素直じゃない部分も
音を立てずに削ぎ落とされてきた
それでもまだ大人になりきれない
この先のどこかの時間軸で
何度目かの恋に落ちていても
きっと同じ悩みを抱えながら
また誰かの胸に抱かれながら
憂に満ちた日々を送り
悲しみだけが残る笑顔を
誰かに振り撒いて生きていく
そして知っている
そんな自分自身を意外と
わたし自身が好きなのだと
身勝手な自分に甘えながら
また明日誰かのことを想う




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