文字数 512文字



今日
いとも簡単に
10年前は…
なんて経験を口にしてた
何だか最近
5年とかそういう昔を
簡単に思い出せる
あの晴れた日のこと
雷が止まなくて
不安に空を眺めていたことも
代わりに
昨日のこととか
ついさっきのこととか
すぐに忘れてしまう
まあ都合の悪い事を
すぐに忘れてしまうのは
今に限った事じゃないけど
誰かが思う特別な事も
沢山重なると
普通に格下げされて
他の普通に紛れ込んで
当たり前すぎて
正確にいうと多分
昨日と一昨日の幸せが
あまり変わらないから
区別がつかなくなってる
それ以上の真新しい情報がないと
ちょっとやそっとじゃ
記憶の片隅にも
残らなくなったそれだけ
でもね過去は違った
何かひとつ一つが
新鮮で輝いていて
そして荒々しいから
あちこちに絡まって
些細な雨の匂いとかそんなのまで
一緒に思い出してしまう
それも昨日のことのように
また今日も
あの日の夕焼けの色を思い出す
君と2人で
並んで帰ったから
もう少しで雨が降りそうな
匂いを感じながら
そこしでも長く一緒に歩いた
そんな些細な事を
懐かしく思いながらも
書類を忘れて同じ道を今も歩く
君が途中まで持ってきてくれる
呆れた顔をしながらも
同じ笑顔を見せてくれるから
きっとまた似たような事を
すぐにしてしまうのかもしれない
都合よく忘れて
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