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文字数 340文字
36.5℃のこの温もりで
僕らは抱き合った
君が溶けだしていく
溢れてくるモノを
僕はすくい集めながら
思いを伝える
36.5℃のこの空の下で
僕らは嘆きあった
君が溶け出していく
消えていくサマを
僕はただ見送りながら
サヨナラを言った
単純な生き物だから
僕はいつでも必死だった
でもなくして初めて
温もりが恋しくなった
この空の下にいれば
君の温もりを
感じていられると思っていたのに
この空の下には
僕の居場所がなかった
君の温もりを感じていたいのに
僕はどこへ行けばいいのだろう
悲しさが満ち溢れているのに
涙も出てこない
掠れゆく意識の中で
僕は君の名を呼んでいた
白い部屋の片隅で
僕は遠くを眺めながら
36.5℃の空の下に
もう君が戻ることはないと
目覚めに聞かされた
僕は君のその温もりを
感じていたかった
ただそれだけだったのに