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文字数 391文字



大好きだった言葉を
悲しくてひとつ封印した
きっともう2度と
表に出すことがない
涙を流せるくらい
器用な人間だったなら
もう少し救われていたけど
僕には諦めるとかしか
見ぬふりをして明日を迎える
そんな形しかとれないから
傷つかないように
優しく包み込んで
心の奥の井戸の底に沈めた
星の見えない空の下で
僕はどのくらいのモノを
なかった事にしてきたのか
もう思い出せないけれど
いつか忘れたものを
笑顔と共に引き出せるのなら
その時はほんの少しでも
幸せだったと思えるのかな
無くした分だけ
また新しい言葉を
たくさん見つけ出す事にしよう
多分懲りずに突っ走って
また今日のように思う日が
そんなに遠くない日に
やって来る事だろう
そして僕はまた泣く事もできずに
繰り返し同じ事をするだろう
それが強くなる事なのだと
少し前に気づけたから
今はこの気持ちがあんまり
怖くない
でも悲しみには慣れないから
暗闇の空を眺めて眠らずに
明日が来るのを待とう
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