文字数 495文字



苦しい時ほど
笑ってしまう
これ以上追い詰めると
落ちてしまいそうなのに
ふと我に返る自分がいて
この瞬間すら特別な気がして
楽しめよと笑ってしまう
きっと逃げて仕舞えば
一瞬だけ楽になれる
誰にも会わなければ
こんな思いをしなくても済むのに
やっぱりそこには
馬鹿げてると笑う自分がいて
無理矢理食べ物を
口に押し込めては
どこかに消えていく
苦しくなる言葉
悲しくなる態度
目の前で繰り広げられていく
涙が溢れても
声に出さなくても
逃げることを許して
くれないのは
あの汚い笑顔で
笑うよりも酷い笑顔で
蔑んでる自分
全員が味わえないんだから
こんな屈辱すらも
楽しめよとまた笑う
そんな事を繰り返してるうちに
何だか色々どうでも良くなってきた
くだらない話は
耳に入らなくなってきた
馬鹿げた事にも
気にならなくなってきた
何でもなんとかなるように思えてきた
色んなところが麻痺したから
いつからか
何でもできる気がしてきた
そういえば最近
あの笑い声は聞こえない
代わりに誰かの些細な事で
笑い合えるようになった気がする
随分と遠回りしたけど
少し優しくもなれた
逃げ回ることも無くなった
しなきゃならない事には
背伸びすらできるようになった
無敵な僕が
いつの間にかそこにいた
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み