第32話 我が家の自由研究を発表しよう!

文字数 1,161文字

「のびたでーーー!」

いつものように妻が叫んでいる。
怒られているような気がするのは、気のせいだろうか。

妻は何かが「のびた」と言っている。

「のびたやでー」ではないから、野比のび太のことではない。
YouTubeの再生回数が伸びたのだろうか。

何のことか分からない私は「何が?」と妻に確認した。

「これや!」

妻は白い箱みたいなのを持っている。私は何のことか理解した。

「あー、それな。よー育ったやん」

豆腐の入っていた容器に、小松菜が生えている。

どういうことか、念のために説明しておこう。
先日、うちの妻はYouTubeで小松菜を育てる画像を見ていた。

「2週間でこんなに育つんやなー。やってみるかー」

切り取った豆苗を水の入ったボウルに入れて育てたことある人はいるかもしれない。それの小松菜バージョンだ。

小松菜を切るときに、根元5センチくらいを残しておく。根元を水を張った容器に入れる。
そうすると、小松菜が伸びてくる。そういう仕組みだ。

こうして、我が家の小松菜栽培が始まった。
せっかくなので我が家の自由研究の成果をお見せしよう。

まず、1日目。生えてこない。


※名古屋城のお土産「金のしゃちほこ」が入り込んでいるけど、気にしないでください。

2日目。ちょっと生えてきた。



10日目。かなり生えた。


※さらに、ハリボーのクマが入り込んでいるけど、気にしないでください。

17日目。さらに伸びた。



育ててみて分かったのだが、小松菜は10日を超えたくらいから、成長するスピードは落ちる。
水だけで育てるにはこの辺りが限界らしい。

「もう、小松菜買わんでもいいかもなー」

妻はそう言っているが、この大きさでは心許ない。
鉢植えに移してさらに成長させるか……それとも、刈り取って食べてみるか。

どうするか考え中である。


***


さて、YouTubeに話を移そう。

私の妻は書道動画をYouTubeに投稿している自称ユーチューバーだ。そして、私は妻のアシスタントとして、妻の書く動画を撮影、編集、YouTubeに投稿している。

書道動画だけでは見ている人が飽きるだろう、と考えた我が家。
YouTubeに投稿する書道動画にクイズを入れるようになった。
ちなみに動画に入れているのは魚編クイズと一般的なクイズの2種類だ。

クイズを出し始めてから1カ月が経った。
再生回数は伸びたような気もするし、気のせいかもしれない。
ただ、最近はこんなコメントが書き込まれるようになった。

『クイズのテンポが悪い』
『答えが出るまでの時間が長い』
『習字がじゃま』

どうやらこの人たちはクイズをメインで見ているらしい。
書道動画を配信しているうちの自称ユーチューバーは悩んでいる。

再生回数を重視して早送りするか?
ディスクレーマー(これは書道動画です)を入れるか?

……悩ましいところだ。

我が家の戦いは続く。

<つづく>
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