第19話 なんて立派な〇〇

文字数 1,378文字

妻は最近、編み物を始めた。

数カ月に一度、かぎ針編みで作った帽子などの写真を義母がLINEで送ってくる。
だから、一度編み物をやってみたかったらしい。
妻は自分の手袋を編んだ後、私に言った。

「次はニット帽を作ったろか?」

頭が冷えると全身が冷えるから、私は冬の間はニット帽を被っている。
ユニクロで買ったばかりだったが、せっかくなので妻にニット帽を作ってもらうことにした。

妻はニット帽を太めの毛糸で編み始めた。
次の日のスーパーからの帰り道、妻は言った。

「毛糸が足りんわ。もう1玉買いに行こや」

私と妻は毛糸を1玉買って帰った。
また、次の日。妻は言った。

「まだ、半分くらいやなー。もう2玉買うわ」

これで合計4玉。
手袋は1玉で編み終わっていたから、ニット帽を編むのは4倍毛糸を使うらしい。

「ニット帽は4玉も使うんやなー」
「そやな。大作ができそうやわ」

それから数日が経ち、ニット帽が出来上がった。
ちょうどその日はクリスマスだった。

「おー、クリスマスプレゼントやなー」と私は妻に言う。

一方の妻は「そやなー」と興味なさそうに答える。

妻からのクリスマスプレゼント(ニット帽)を手に取った私はこう思った。

――なんて立派な……

立派なニット帽だ。
どう立派かというと、存在感がすごい。

比較のためにユニクロのニット帽と並べてみよう。





左がユニクロのニット帽。右が妻の編んだニット帽だ。

サイズはユニクロの30%増しくらいだろうか……
そして、写真だと分からないと思うが、厚みはユニクロのニット帽の2~3倍ある。

大きくて分厚いから重いのだ。

妻がせっかく編んだので被ることにした。大きなニット帽を。
このニット帽は大きいので重い……肩が凝る。

皆さんが道を歩いていると、巨大なニット帽を被っているオジサンを見かけることがあるかもしれない。
そのオジサンはきっとこう思っているはずだ。

――サイズがおかしいけど、せっかく妻が編んでくれたし……被っとくか

だから、ここで皆さんにお願いしたい。

「帽子のサイズを間違ったオジサン」ではなく「帽子のサイズが変なのは分かっているけど、せっかくなので被っているオジサン」だと思ってもらえないだろうか?

これは、全国の帽子のサイズ間違いオジサンからのお願いだ。

***

さて、話をYouTubeに移そう。

私の妻は書道動画をYouTubeに投稿している自称ユーチューバーだ。そして、私は妻のアシスタントとして、妻の書く動画を撮影、編集、YouTubeに投稿している。

前回、2文字の書道動画を載せたら再生回数がイマイチだったと書いた。年末年始用に2文字動画をそれなりに作ってしまったので、とりあえず掲載してみた。
結果を発表しよう。

第1位 元旦 :2,443回
第2位 正月 :2,403回
第3位 七草 :1,397回
第4位 納会 :1,022回
第5位 賀正 : 535回
第6位 リア充: 346回
第7位 聖夜 : 136回

「聖夜」や「リア充」はイマイチだったが、中には健闘しているものもある。

1文字の書道動画でも再生回数が伸びないときはある。ひょっとしたら、2文字の書道動画はダメということではなくて、単純に掲載するタイミングなのかもしれない。

だから、これからもたまに2文字の書道動画を上げてみようと思う。
自称ユーチューバーにはチャレンジが必要だ。

我が家の戦いはまだ続く。

<続く>
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