第28話 ストライキを決行するアシスタント
文字数 1,795文字
「もう1回、もらいに行こか」
妻はそう私に言った。
私と妻は近所で開催されている「目黒川の桜まつり」に来ていた。今回もローカルネタで申し訳ない。
「目黒川の桜まつり」は毎年3月末に開催されており、今年の開催期間は3月30日(土)~31日(日)だった。
目黒川の桜はまだ咲いていない。でも、桜まつりは開催される。
A cherry blossom festival without bloomed cherry blossom trees
さて、「目黒川の桜まつり」では、入り口でハーゲンダッツのアイスが無料で配られていた。
列に並べば一人に一個、ハーゲンダッツのアイスがもらえた。
会場に入る前に私たちはハーゲンダッツのアイスをもらった。
そのアイスを食べてから会場に入った。
お酒を飲みながら、屋台で買った気仙沼のホタテ、カツオを食べたりしていた。
一通り会場を回ったあと「そろそろ帰ろか」と家に帰ることにした。
出口に近づいたら妻が言った。
「もう1回、もらいに行こか」
私と妻はハーゲンダッツのアイスを2個ゲットし帰宅した。
そして今日(3月31日)。
妻は私に言った。
「もう1回、もらいに行こか」
私と妻は2日目の「目黒川の桜まつり」へ出かけるのであった。
ハーゲンダッツのアイスを2個ゲットするために……
***
さて、YouTubeに話を移そう。
私の妻は書道動画をYouTubeに投稿している自称ユーチューバーだ。そして、私は妻のアシスタントとして、妻の書く動画を撮影、編集、YouTubeに投稿している。
2月から再生回数が低迷している書道チューバーたちは迷走している、と前に書いた。
我が家の自称ユーチューバーも同じく迷走している。
迷走する我が家もいろいろやってみた。
「百人一首クイズ」、「魚編クイズ」……もう書道と関係ない動画を大量に作った。
他の書道チューバーも同じように書道と関係ない動画を大量に配信している。
でも、再生回数は伸びない。
「やっぱり、こうしたらいいんちゃう?」
「ずーっと問題を出して、答えを最後まで引っ張ったらいいんちゃう?」
妻は私に言いたい放題言う。
個人的なグチを書いて申し訳ないのだが、3月は忙しかった。
仕事もあるけど、本(専門書)の原稿を書いていたから、YouTubeに掛ける時間がほとんど無かった。
書いていたのは図表が入って200頁くらいの本。文字数では10~15万字くらいだから、そんなに多いわけではない。
ちなみに、専門書の発行までの流れは小説とは大きく違う。
話が脱線するが、参考までに書いておこう。
1.出版社の担当者から「〇〇のような内容で書いてくれませんか?」と相談がくる
2.担当者に本の概要を送る
3.出版社の編集会議で出版が決定する
4.執筆要項が送られてくる
5.原稿を書いて担当者に送る
6.担当者からいくつか確認がくるから対応する
7.ゲラ(初稿)ができて送られてくる
8.ゲラ(初稿)をチェックして出版社に送り返す
9.ゲラ(二校)ができて送られてくる
10.ゲラ(二校)をチェックして出版社に送り返す
11.ゲラ(三校)ができて送られてくる
12.ゲラ(三校)をチェックして出版社に送り返す
13.本が出版される
14.出版契約のドラフトが送られてくる
15.出版契約を締結する
まず、専門書の場合は原稿を書く前に出版が決まっている。
そして、出版物によって少し違いはあるものの、大体ゲラは2~3回チェックする。
自分の書いた文章を何度も何度も見直すので、結構苦痛な作業だ。
もちろん、私はゲラのチェックが大嫌いだ。
また、出版契約は本が出版された後に締結することが多い(ような気がする)。出版されて1~2カ月後だったりする。
専門書の出版はこんな流れだ。
さて、話を元に戻そう。
上からものを言う妻に対するイライラもあり、私は決行することした。
そう、ストライキを。
「そんなに言うんやったら、自分でやったらいいやん!」
こうして私のストライキは始まった。
ストライキを決行してから2日くらい経った頃、妻が私に言った。
「どうやって動画を作るか教えて」
私は妻に動画編集の仕方を教えた。
時間が掛かりながらも自分で編集して動画を配信する妻。
私は何か悪いことをしているような気がした。
ストライキを決行してから1週間が経った。
「時間ができたから編集するわ」
私は妻(自称ユーチューバー)のアシスタントを再開することにした。
<つづく>
妻はそう私に言った。
私と妻は近所で開催されている「目黒川の桜まつり」に来ていた。今回もローカルネタで申し訳ない。
「目黒川の桜まつり」は毎年3月末に開催されており、今年の開催期間は3月30日(土)~31日(日)だった。
目黒川の桜はまだ咲いていない。でも、桜まつりは開催される。
A cherry blossom festival without bloomed cherry blossom trees
さて、「目黒川の桜まつり」では、入り口でハーゲンダッツのアイスが無料で配られていた。
列に並べば一人に一個、ハーゲンダッツのアイスがもらえた。
会場に入る前に私たちはハーゲンダッツのアイスをもらった。
そのアイスを食べてから会場に入った。
お酒を飲みながら、屋台で買った気仙沼のホタテ、カツオを食べたりしていた。
一通り会場を回ったあと「そろそろ帰ろか」と家に帰ることにした。
出口に近づいたら妻が言った。
「もう1回、もらいに行こか」
私と妻はハーゲンダッツのアイスを2個ゲットし帰宅した。
そして今日(3月31日)。
妻は私に言った。
「もう1回、もらいに行こか」
私と妻は2日目の「目黒川の桜まつり」へ出かけるのであった。
ハーゲンダッツのアイスを2個ゲットするために……
***
さて、YouTubeに話を移そう。
私の妻は書道動画をYouTubeに投稿している自称ユーチューバーだ。そして、私は妻のアシスタントとして、妻の書く動画を撮影、編集、YouTubeに投稿している。
2月から再生回数が低迷している書道チューバーたちは迷走している、と前に書いた。
我が家の自称ユーチューバーも同じく迷走している。
迷走する我が家もいろいろやってみた。
「百人一首クイズ」、「魚編クイズ」……もう書道と関係ない動画を大量に作った。
他の書道チューバーも同じように書道と関係ない動画を大量に配信している。
でも、再生回数は伸びない。
「やっぱり、こうしたらいいんちゃう?」
「ずーっと問題を出して、答えを最後まで引っ張ったらいいんちゃう?」
妻は私に言いたい放題言う。
個人的なグチを書いて申し訳ないのだが、3月は忙しかった。
仕事もあるけど、本(専門書)の原稿を書いていたから、YouTubeに掛ける時間がほとんど無かった。
書いていたのは図表が入って200頁くらいの本。文字数では10~15万字くらいだから、そんなに多いわけではない。
ちなみに、専門書の発行までの流れは小説とは大きく違う。
話が脱線するが、参考までに書いておこう。
1.出版社の担当者から「〇〇のような内容で書いてくれませんか?」と相談がくる
2.担当者に本の概要を送る
3.出版社の編集会議で出版が決定する
4.執筆要項が送られてくる
5.原稿を書いて担当者に送る
6.担当者からいくつか確認がくるから対応する
7.ゲラ(初稿)ができて送られてくる
8.ゲラ(初稿)をチェックして出版社に送り返す
9.ゲラ(二校)ができて送られてくる
10.ゲラ(二校)をチェックして出版社に送り返す
11.ゲラ(三校)ができて送られてくる
12.ゲラ(三校)をチェックして出版社に送り返す
13.本が出版される
14.出版契約のドラフトが送られてくる
15.出版契約を締結する
まず、専門書の場合は原稿を書く前に出版が決まっている。
そして、出版物によって少し違いはあるものの、大体ゲラは2~3回チェックする。
自分の書いた文章を何度も何度も見直すので、結構苦痛な作業だ。
もちろん、私はゲラのチェックが大嫌いだ。
また、出版契約は本が出版された後に締結することが多い(ような気がする)。出版されて1~2カ月後だったりする。
専門書の出版はこんな流れだ。
さて、話を元に戻そう。
上からものを言う妻に対するイライラもあり、私は決行することした。
そう、ストライキを。
「そんなに言うんやったら、自分でやったらいいやん!」
こうして私のストライキは始まった。
ストライキを決行してから2日くらい経った頃、妻が私に言った。
「どうやって動画を作るか教えて」
私は妻に動画編集の仕方を教えた。
時間が掛かりながらも自分で編集して動画を配信する妻。
私は何か悪いことをしているような気がした。
ストライキを決行してから1週間が経った。
「時間ができたから編集するわ」
私は妻(自称ユーチューバー)のアシスタントを再開することにした。
<つづく>