A高校郷土史研究会

文字数 277文字

『A高校郷土史研究会』。
このA高校を中心に、高校が在るS原市の郷土を調査する同好会だ。
所属する人数は不明だが、部活では無い。あくまで、同好会、だそう。
 ……しかし郷土史研究とは名ばかりで在ることを、僕は知っていた。いや、ある意味、合ってはいるか。
で、どうしたの……寸沢嵐くん(・・・・・)
 寸沢嵐(すわらし)、は名字だ。僕は訊かれた意図が上手く汲めず首を傾げた。
すると、ヒメ先輩は一つ首肯して、息を吐いてから。
それ(・・)、は?
 ヒメ先輩が僕を指差した。
 正確には、僕が覗く端末のカメラ越しに。
 僕は簡単に説明した。
 記録を撮らねばならないのだ、と。
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登場人物紹介

ヒメ先輩。『A高校郷土史研究会』を掲げた奥の部屋にいつもいる女性。セーラー服を着ていて、一見普通の女生徒のようだが……?ただ歩くだけで怪異と遭遇する世請くんを見兼ねて、世話を焼いている。

世請くん。何をするでも無く、ただ歩くだけで怪異や事件に巻き添えを食らう男子高校生。ヒメ先輩曰く、世請くんの意志に関係無く自ら怪異に向かっているとのこと。本人に自覚は無く何なら不服ですら在る……が、実質ヒメ先輩に助けてもらっている現状から強く反論出来ない。

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