何て言うか知ってる? 『当たり屋』って言うの。

文字数 363文字

ヒメ先輩のお知り合いですか?
さぁ……?
それにしても、
 ヒメ先輩が苦く笑う。嫌な予感。
きみは本っ当に、歩くだけで変なことに巻き込まれるね
今日だって、朝の通学中から記憶が無いんじゃないの?
はっ……マジだ
……ええええ何でっ。俺は学校に行こうとしただけなのに!
そろそろ自覚しなさいって
世請くんはね、歩くだけで、“こう言うもの”に当たるの
それも、わざわざ向こうが呼んでいるんじゃないのよ
自分から、当たりに行ってるの
 そんなこんなで、どうにも出来なくて被害に遭うでしょ。
そう言うの何て言うか知ってる?
『当たり屋』って言うの。
 ヒメ先輩の発言に、俺は勢い良く挙手した。
いや!
やーやーや!
その意見には断固! 撤回を求めます!
 確かに。昔から変なものとか変なことに巻き込まれることは多々在った。
 だけど、俺から向かったことなど、一度として無い!
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登場人物紹介

ヒメ先輩。『A高校郷土史研究会』を掲げた奥の部屋にいつもいる女性。セーラー服を着ていて、一見普通の女生徒のようだが……?ただ歩くだけで怪異と遭遇する世請くんを見兼ねて、世話を焼いている。

世請くん。何をするでも無く、ただ歩くだけで怪異や事件に巻き添えを食らう男子高校生。ヒメ先輩曰く、世請くんの意志に関係無く自ら怪異に向かっているとのこと。本人に自覚は無く何なら不服ですら在る……が、実質ヒメ先輩に助けてもらっている現状から強く反論出来ない。

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