一気に、血の気が引く。
文字数 656文字
クラスの友人、高座。
とても明るく気さくで好いヤツなのだが、謎や事件、更にオカルトと聞けば、一にも二にも無く目を輝かせ突っ込んで行く。
現在、高座以外に特段、親しい友人のいない俺には、アイツと縁を切るのは死活問題だった。
ゆえに、縁を切らないとこれからもハードモードで大変な目に遭うよ、と。
またも変な出来事に遭遇していた俺に、あの高座が放置するなんて有り得ない。
だとしても常日頃ハイテンションが標準装備なアイツは見当たらない。
俺が問うと、ああ、とヒメ先輩は頷いて。
と言 ちた。……待って。
それは、昨日、俺も受けなきゃならないと先生からお達しされたものでは……? 一気に、血の気が引く。
俺は携帯端末をヒメ先輩へ押し付けるように渡すと一目散に階段を駆け降りる。
最後は何かごろごろした岩が足場になっていたけれど、どうにか下り切れた。
どうやら、今日もヒメ先輩にお世話になったらしい。