生き物は、生きていれば死ぬものよ
文字数 472文字
ヒメ先輩と駅に戻って電車を待つ。わざわざ下り路線から見て右端、地下歩道が在る近くで。
そうなんですね、と僕は頷いた。
そう言った無念が、生物が住まう土地には降り積もっているのだと。ヒメ先輩は言った。
生きた人も、見ない振りした無念が、たくさん在ったの。ヒメ先輩が説く。
電車が来た。僕たちは乗り込む。
ヒメ先輩が説き終えると同時に、自動扉は閉まった。