合コンに行ったら、元推しメンがいました。

文字数 913文字

里恵菜。 様作

───濃密な三時間と、必然性で繋がっていく物語

【対照的な双子が予感させるのは】

まるでバトンを渡すかのような、必然性の繋がりがとても目を引く作品。冒頭一ページ目で既に、かなり巧い方だなと言うのが伝わってくる。一ページ目に出てくる登場人物名は、ざっと十くらいだと思われるが、通常これだけ人名が出てくるとややこしいことになりそうだが、この作品は違う。
対称と関連を上手く使っており、主要人物がわかりやすく、わき役と決定的な違いが見て取れる。計算された構成なのだろうか、と思うと凄いとしか、いいようがない。

【比較、相対、関連による効果】

この作品の素晴らしさは、比較、対象、関連を上手く取り入れ、読者の記憶に刻み付けるところにある。例えば、ふたご座で、双子(覚えやすい)。占いと天気予報。双子が正反対であることは、確かに設定として読者に提示はされているが、姉が占いを信じるのと対照に、主人公は占いより天気予報を選ぶくだりでは、現実と非現実というような対象物により、この双子が対照的であることを実感させている。更に、会社での先輩が出てくるシーンでは、何故このシーンを入れたのだろうかという事が、すぐにわかる。声繋がりで、これから始まることを予感させているあたりが、必然性を感じ、無駄のない厚みのある物語であることを予感させる。

【予想外の物語】

合コンに行くことになった主人公だが、天候により女性陣が来られなくなってしまったことから、物語はメインとなっていく。その時間は三時間。なんとなく、合コンで出逢い、何らかの理由で再会しと言うような展開を想像していた自分は、読み進めてド肝を抜かれた。これは凄すぎる。だからタイトルはこれなのか、と納得できるほど、濃密な三時間が始まるのである。

現時点では、完結はしていないが今後どう展開されるのか、ちょっと想像できない。
まるで自分も合コンに参加しているような気持ちになれるほど、濃密であることは間違いない。
いつ、恋に発展するのだろうか?と考えながら、合コンに参加している気分で読める作品である。
ぜひ、お手に取られてみてはいかがでしょうか?おススメです。
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