血と降格と抗えないつがい(感想)

文字数 700文字

かにゃん まみ様作

■感想に、この作品を選んだ理由

オメガバースにはレビューが難しいため

□登場人物に思うこと

主人公がαという事で、これでもか!と言うほど嫌な奴であるのが、面白かった。
後にΩであるということが発覚するための構成なのだが、それまで一片でも良い奴というのが伺えないことが、のちに彼の心の成長と繋がるのかと思うと凄いなと思った。作者というものは、自分の作り出す登場人物に愛着が沸き、嫌な奴だと演出したくないものなので、本気が伺える。

■自分が物語の登場人物だったら

バースものを読むときは、大抵βbに感情移入するものだが、この物語は複雑だ。α以外をバカにしている主人公に対し、前半は確かに怒りを覚えるのだが、後半Ωであるとわかり、仕返しのようなことをするβには感情移入は出来ず、止める側である琉のほうが感情移入できる。その事により、自分はどちらであっても、弱い者の味方しかできないな、と感じた。

■感動したこと

やはり、高低差。これにおいては秀逸だと思う。前半は、主人公に反感を覚えるのに、後半になると味方をしたくなる。それだけ主人公は、自分がΩであるということにショックを受けただけでなく、人として大きな成長を遂げたという事がわかるからだ。そして、作中ずっと傍に居続けた琉の存在。彼は全くブレることもなく、主人公に想いを寄せ、非礼を許し、守ろうとする健気さが印象深い。
因果応報とならないのは、そこに好感が持てるからだ。
一時はどうなることかとひやひやもしたが。

□物語の先

等しく平等な社会となり、どの性にも偏見がなく、優しい社会になっていくのではと、想像する。
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