純愛戦線~俺の幼馴染みは戦場の女神になれない~

文字数 1,902文字

日埜和なこ様作

【作品URL】
https://kakuyomu.jp/works/16816927860791467645

【あらすじ引用】
 舞台は現代から一千年後の世界。
 大自然に淘汰された世界で生き延びる人類は、突如として現れた異形の獣と戦いながら、強かに命を繋いでいた。
 滅びを待つのみだった人類は抗う力──魔装を手にいれるが、全ての者が使えるわけではなく、適正者のみが扱えるものだった。

 その適正者が集まる国軍の魔装部隊で、モーリスは候補生を担当する教官としてアサゴ基地に所属している。同じく教官である幼馴染の佐里愛翔(さりまなと/愛称サリー)を長年口説き続けているが、一向に振り向いてもらえずにいた。

 そんなある日、有望株と言われて入ってきた候補生のケイ・シャーリーの射撃スコアの低下が目に余り、上官からフォローアップの指示が出たため、モーリスはケイの悩みを聞くことになる。
 時を同じくして、サリーは付き合っていた男に振られ、懇意にしていた仕立て屋の娘、清良との婚約の話を聞くことになり失意の底へと落とされる。
 だが、清良が本心から好意を寄せている相手がケイであることを知り、モーリスとサリーはどうにか二人の悩みを解消して、幸せにしてやれないものかとお節介を焼くことに。

 長年片想いで一筋なモーリス(だが非童貞)と、ツンデレ拗らせて素直になれないサリーは、他人の恋愛事情に巻き込まれながら、お互いの気持ちに向き合うようになる。

【組み合わせ・舞台】
長年片想いで一筋なモーリス(だが非童貞)とツンデレ拗らせて素直になれないサリー

 舞台は現代から一千年後の世界。
 高度な文明を築いていた人類は、突如として現れた大自然の化身によって滅ぼされた。人々は住むところを追われ、細々と生きていくしか道はなかったようである。
 だが一千年前、ある神の齎したものにより戦況は変わる。
 人間は諦めるしかなかった現状に、希望の光を見たのだろう。
 魔法の使える世界であり、人間たちは手に入れた力により異形の獣(魔物)と戦っている。

【物語の始まりは】
 ピンチに陥ったモーリスの元へサリーが助にくる場面から始まっていく。
 そこから世界観や戦闘に関するシステム、二人の性格の分かるエピソードが語られていく。

【主人公たちと登場人物について】
 モーリスは一途なのが伝わらないほど、軽い感じの印象。ポジティブな考え方をし、それを口にするものの本心までは分からない。もしかしたら相手の冷たい反応に対し、心の中では落ち込んでいるのかもしれないと、思っていたが読み進めるとちょっとズレたタイプであるということが分かってくる。
 よく言えば恋は盲目。悪く言えば、周りが見えていないタイプのようだ。

 サリーに関しては、塩対応という印象。それでも冷たいというわけではなく、態度に出さないタイプというのが近いと思う。心配はしているはずだが、普段からこういうやり取りをしているなら、なかなかその時だけストレートな反応というのはできないものだと思う。

【物語について】
 この物語は戦闘シーンから始まっていくが、戦いなどがメインではなくモーリスが怪我をしたことにより、次々といろんな問題が連鎖して起きる物語である。
 主人公のモーリスはケガによりしばらく療養することとなった。その間、候補生の一人に異変が起きる。その彼はモーリスのケガの原因に関係していたため、彼が責任を感じているのかと思い話を聞くことに。
 しかし彼が集中できなくなっていたのにはもっと別の理由があったのだ。
 このままでは良くないと、彼の問題に関し調査に乗り出すが意外なところで事件は繋がっていたのである。

【見どころ】
 始まり方からは、戦闘シーンの多い物語だと思ってしまうが、どちらかというと探偵物語に近い。
 主人公はモーリスとサリーだと思われるが、候補生であるケイとその幼馴染みの清良との恋を巡っていろいろと画策などをし解決していくことが二人の目的の中にある。
 モーリスはその性格ゆえに、一途であることを信じてもらえないように感じるが、サリーの本心は分からないもののケガをさせてしまったことを後悔しているシーンもある。 ケイと清良の恋愛事情については、サリーも無関係ではなく複雑な心境に。
 ただの恋愛事情ではなく、軍内での上下関係や裏取引など複雑に絡み合い一筋縄ではいかぬ状況。果たして二人はこの幼馴染同士の恋を解決に導くことは出来るのだろうか?
 そしてモーリスの恋は報われるのだろうか?
 この物語の結末を、ぜひその目で確かめてみてくださいね。お奨めです。

*備考2-5. 心に残る男の影①まで拝読
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