珈琲茶館『まほろば』
文字数 1,196文字
－PM7時50分－
《五人御崎－椿屋旅館》
ふー···
食べた食べたーっ
めっちゃ美味しかった！！
あれが一人前かってくらいの量だったわね··
ところで、この旅館の中にラーメン屋さんとかもあるっけよ！！
·······へぇ
···もしかして興味ないの？
むしろ興味深々なあんたを疑うわ
じゃあ、奏良は腹ごなしに温泉にでも浸かってくれば良いよ！
あんたはどうするの？
スイーツ探してくるさ！
ラーメンじゃないんかい！
ラーメンはスイーツの後で(ｷﾘｯ
···意味分かんないし
(何が ｷﾘｯ よ···)
じゃーねーーーっ
ガラッ
ﾊﾟﾀﾊﾟﾀﾊﾟﾀ―――···ｯ
···さぁて
それじゃあ、お言葉に甘えて温泉に入ってくるか～っ
《珈琲茶館－まほろば》
お···、おおっ！！
こんな素晴らしい喫茶店が旅館の中にあるとは！
ようお嬢ちゃんいらっしゃい！
わっ！！！
何か飲むか？
え、えっと···
じゃあイケオジコーヒーを下さい
了解！
···まだ8時前だと言うのに
喫茶店の中にはお客さんが殆どいなかった··
··まぁ、この旅館の料理は量が多いから
全部食べたら喫茶店に入る気持ちには
ならないかもね
折角お洒落なお店なのに勿体ない
そんな事を思いながら私は
お兄さんのいるカウンターに腰をかけた
(それにしても、急に声をかけないで欲しいよ··、ビックリした··)
ほら、イケオジコーヒーだぜ？
あ、有り難うございます··
嬢ちゃんは、旅館の飯は食わなかったのか？
····食べましたけど？
··············
なるほどな
あ、そうだ
この喫茶店の推しケーキは無いんですか？
おー、あるぜ？
ちょっと待ってな
やたっ！
やっとスイーツにありつける！
ほい、お待たせ
おおっ！！！
桜あんの和風モンブランだ
なんて繊細で美しいフォルムなの！！
まるで、真冬に咲いた桜のようだ！
ははっ！
面白い嬢ちゃんだな！
コーヒーにも合うように作ってあるから、一緒に楽しむと良い
まさかとは思いますが···、お兄さんが作ったんですか？
他に誰がいるんだよ··
なんとっ！！！
人は見かけによりませんねー！
まあな、良く言われるぜ
モグモグモグモグ
(うまぁー！)
因みに嬢ちゃんは何をしにこんな所まで来たんだ？
モグモグ···、今年大学受験なんです
モグモグ、その祈願とお守りを買いに来ました
あー、なるほど··
確かにあそこの神社は有名だな
·············
·····？
どうした？
····ここの地域で有名な怪談話ってありますよね？
···まぁ、確かにあるが
何なんだ藪から棒に··？
ついでに言うと、悲惨な事故も何件か起きていますよね？
···あぁ
詳しいな嬢ちゃん··
その事故も、怪談話と繋がっているんじゃないのかなって思って··
ふーん···
そう言う話が好きなのか？
····うーん、好きって言うか··
気になると言うか··
···········
