新しい生活
文字数 1,271文字
－AM7時45分－
《白幡家》
伊織～っ！
何してんの、早くなさいよー！
げっ！！
奏良っ、もう来たわけ？！早すぎる！
早くなんかないわよ
いつもの時間より5分遅いわ
ちょっ、ちょっと待って～っ
ガチャ――ッ
行ってきます！
ﾊﾟﾀﾝ―··
まったく···
相変わらず朝弱いわねぇ
いや、奏良が早いんじゃない？
あら、だって授業は9時からよ？
···奏良は、殆んどの授業を受けてるよね～、私は今日の１時限の授業は受けるつもりはなかったのに··
何だって勉強しないと、自分の知識にはならないわよ？
うーん···、あんま興味の無い内容のカリキュラムがあるんだよね··
例えばどんな内容なの？
···東アジアと朝鮮半島とか
中国の国家と社会とか····
········そうねぇ··
薬学と関係なくない？
まぁ··、それは教養科目だからねぇ
関係ないっちゃあ関係ないわね
まぁいーや、
１時限目は図書室で分析科学の復習しとこ、実習もあるしね
一応、ちゃんと頑張っているみたいじゃない、偉いわ
一応とは何さ！
私は将来お金に困らない為に必死でやってるんだよ！
はいはい、そうだったわね
(··そんなに心配しなくても医者になったら養ってあげるのに)
あの旅行から早いもので既に３ヶ月が
過ぎようとしていた
大学は伊織と同じだが、専門科目が違う為
大学で会うことは殆どない
なのでせめて、朝の登校とお昼時間と
サークルの弓道は、
一緒に出来るように付き合わせている
あ、そう言えば
弓道三段の試験が、そろそろあるらしいよ？高校では二段までだったし
そうだったわね、まぁ楽勝でしょ
···努力家だけが言えるセリフだわ
···あんた、もし落ちたら恥じよ？
···········
(今日は夜の９時まで練習するか··)
－PM6時30分－
《修練武道館－弓道場》
ｼｭ―――――――――――···
ﾀﾝ――――ｯ
(ﾊｧｰｰｰｰｰーーーーっ！！
カッコいいっ！！)
(····今日は何か集中出来ないな)
(何だかよく分からん視線をヒシヒシと感じるし··)
ジーーーーーーーーーーーー
っっっっ！！！！？？
ぅあっ、赤司さんっっ？！
ﾊｯ！！
い、いけない···、バレてしまったわ
またそんな影からコッソリと··
驚かせてしまってゴメンなさい···
私がいると邪魔になって、集中出来ないんじゃないかと思って··
赤司さんの場合は居ても居なくても、俺は気になって集中出来ないみたいだ
っっ！！！
(死ぬほど嬉しい！！)
って事なので、赤司さんも控え室に入って俺の近くで見ていてくれる？
っっ！！！
っ喜んで！！
あれから３ヶ月···
何だかんだで、結局何も変わっていない
私達が此処にいます
って言っても、まだ僅か３ヶ月。
変わりようも無いんだけど、
唯一変わったことと言えば、大学の
キャンパスライフを存分に楽しんでいる
事くらいかしら？
あ～··、黒木君も同じ大学だったら
もっと毎日が薔薇色だったのに···
と思いながら、この修練武道館へ
通い詰めて私の欲求を満たしている訳です！
(結果、人生をとても楽しんでいるようで安心したよ赤司さん···)
