仏眼
文字数 1,342文字
－PM9時40分－
《稲荷山神社裏－廃屋》
来るぞ····っ！！
く····っ！
ゴゴゴゴゴゴゴゴ―――
ｻﾞｻﾞｯ ｻﾞｻﾞ――
！！！！！！！！
！！！！！！！！
(こ、こいつが仏眼····っ！！)
(思っていたよりも遥かに百鬼らしい見た目ですっ！！)
(···あ、ちょっとお正月っぽい)
(··あのしめ縄は封印？それとも妖怪よりも神に近い存在？)
十朱··、大丈夫か？
ﾊｯ！
だっ、大丈夫です！！
さあ！先手必勝ですよ！！
えっ？！
お、おお··！
(って、どうしよう···！)
くくく···
わしの姿を見た者は死あるのみだ
そんな事には俺がさせねえよ
ならば、その娘を守りながらわしとやり合うか？
そりゃあいいね！
っっ！！！
バババッ
急急如律！！！！
唵 阿謨伽 尾盧左曩
(おん あぼきゃ べいろしゃのう)
摩訶母捺囉 麽抳 鉢納麽···っ
(まかぼだら まに はんどま)
入嚩攞 鉢囉韈哆野 吽！！
(じんばら はらばりたや うん)
パァ――――――――···ッ
！！！！
(真言っ！)
っ！！！！
ちっ
(詠唱が早い！！)
不空羂索毘盧遮那仏大灌頂光真言！！
(ふくうけんじゃくびるしゃなぶつだいかんじょうこうしんごん)
(仏眼さんの周りに青白い結界円陣が····！！！)
くく····
っ？！
さあ···っ
わしの元に集まれ亡霊どもよ！！！
(な···っ、まさか····っ)
めっ、明光よ来たれっ！！
(な、何を···っ)
仏眼の一切の罪障を徐滅するっ！！
ズズ··· ズルッ ズルズル··ッ
う··うゎっ····！！
し、下から沢山の彷徨える亡霊達が··っ仏眼さんを囲う様に這い出て来ました！！！
くっっ
西方極楽国土へ住かせよっ！！！
ゴオオオオオオオオ――――――ッッ
その瞬間、
仏眼さんの回りの青白い結界円陣は
真っ赤に光りだし、烈火の如く凄まじい炎が
仏眼さんを焼き尽くさんとばかりに
天を突き刺し登って行った···
は、廃屋の屋根が一瞬で消えた····
ﾊｯ
仏眼さんは？！
く····っ
くく····っ、
····ふはははっ
な···、何で無傷なんだよ！！
ﾊｯ
さ、先程まで大量に這い出て来ていた亡霊達が···完全に消滅しています··
ま、まさか···
あいつらを盾に使ったのか？！
くふふふ···
··あぁ～··危なかったわ～··
怖や怖や～····くくくっ
なんて卑劣な百鬼なんです？！！！
くくっ
それは最高の誉め言葉だぞ小娘ぇ··
最悪だっ！！！
てめぇはオレの手で完全に消滅させてやるぜっ！！！
···ふん、中々生きの良い小僧だな
だが貴様に用はない
っ！！！
ギクッ
小娘···、お前は最高の魂を持っている··、イタコとは本当に素晴らしい！！
さっ、させるかよ！！！
···うるさいのう
あぁうるさいうるさいうるさい
っ！？
···貴様は少し黙っていろ
小娘から魂を抜いたら即殺してやる
はぁ？！
黙ってろって言われて黙ってる奴なんているわけが···
ガシッ
な···っ？！
(後ろから羽交い締めに···っ)
っっ！！！！？
ｻﾞｻﾞｻﾞｯ ｻﾞｻﾞ――
ひ、柊さん·····？
····ケタケタケタッ
柊さん···
