十朱と櫻井
文字数 1,048文字
－PM6時15分－
《伊吹家》
···もしかして
叔父さんも顔見知り？
顔見知りではないが、存在は知っている。百鬼の中でも評判はすこぶる悪いんでな
っ！！
···以前そいつのせいで、ヨーコが激怒して帰ってきた事もあったくらいだ
よっ、ヨーコちゃんが？！
あのヨーコさんが？！
ヨーコさんがねえ··
迷惑な話だ。ヨーコがキレると境内が火の海になる
(境内が火の海に？！)
(ヨーコさん何者)
(誰だよ···)
··········
ヨーコってのは、九尾の狐の事だ。ヨーコとは、『妖狐』←こう書く
えっ？！
く、黒鉄さん···
心読みました？！
驚く所はそこではない
(き、九尾の狐って··、この人達は一体何者なの？！)
··あの時はヨーコが仏眼に何かを奪われたとか言ってワメいていた··
え··っ？！
まあ、何を奪われたのかは知らねえがな。興味もないし
相変わらずの最低っぷりですね
レン····汗
····で、その仏眼ってのが何なんだよ？
仏眼は··他の百鬼とは違って人の血や肉には興味がなく、魂のみを喰らう百鬼だ。
········
人の魂は百鬼に喰われると2度と輪廻転生は出来ず、その百鬼の一部となる
っ！！！
貴様ら十朱の血筋は特にも仏眼に力を与える程の霊力があるからな··、狙われるのは時間の問題だ
···一体どうしたら
··仏眼は以前、女の霊を使って魂を集めていた··
確かに···、自らは鏡の中から高みの見物だったのですよね？
その通りだ。実際に奴を誘き出す方法も考えねばならんな
成る程··、何かを仕掛けてくる可能性は高くとも間接的と言うことですか
うーん···、ちょっと卑怯だな
···だとしても、俺は今まで通り逃げるだけだ
むざむざ殺られたりなんかしねえ
············
だけど···
それには必ず限界がくるよ
っ！！！
っ！！
！！？
那岐くん、君は今恵まれた環境にいると言うことを忘れちゃいけないよ？
っっ！！
···あぁ、その通りだ
(アスマさん··)
·········っ
··って事で、取り敢えずは――
お前を守る為の式神を憑けてやる
っ！！！
···式神？
式神ってのは、櫻井家の者達が使役する十二天将の事だ
(十二天将って··、以前に伊吹君が出していた大きなヒヨコのやつ？！)
さ、櫻井家って···、もしかして瑞禪寺のですか？！
ああ、寺の方は俺の父親がいまだに現役で住職を勤めているが、神社の方は俺が神主をしているよ
(···瑞禪寺？)
！！！！！
···って事は、貴方はレンちゃん？！
···えっ？！
もしかして···
母さんも顔見知り？
