第2話:魔法相談所開設(その4)

文字数 604文字

キーンコーンカーンコーン

チャイムが鳴り、放課後がやってきた。

ひまわりと玄関で待ち合わせした太陽だったが、ひまわりの姿は無い。

「あいつ、何やってんだよ」

チッと思いながら、クツ箱を開くと手紙が1枚入っていた。
差出人は、ひまわりのようだ。

「ん?ひまわりからじゃん」

太陽は手紙を取り出し、中を読んでみる。

『桐島君 
放課後の用事は付き合いますが、先に桐島くんの家に行っています 
夏野より』

太陽は首をかしげた。

「なんだ、これ?」

ひまわりは考えた。
太陽と堂々と放課後待ち合わせて一緒に帰ろうものなら、ファンクラブの女の子達に何を言われるか分かったものではない。

本当に付き合っているのであれば話は別だが、太陽が自分に話しかけてくるのは単に相談所の「手伝い要員」のためであって、決して恋愛対象として見られているわけではない。

その点を女子の皆さんにこれ以上勘違いされては困るのだ。

そういうことを踏まえて、学校ではなるべく太陽に近づかないようにするのが得策だ、とひまわりは考えたわけである。

********

「ったく、なんで先に帰ってんだよ。寄るところがあったのに」

「す・・すいません・・・」

雨夜家の和室の一室で、2人はテーブルをはさんで向き合って座っている。

今日も床の間にはきれいな花が活けられ、お香の高貴な香りが部屋に漂う。
その香りは不思議とひまわりの心を落ち着かせてくれた。

が、太陽が話し出すと心は一気にざわめき出したが。
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