第2話:魔法相談所開設(その6)

文字数 584文字

がらっと襖が開き、
「太陽、おや、ひまわりちゃんも来てたのかい?」
と太陽のおばあさんが現れた。

今日もビシッと着物を着こなし、年の割にはシャンとしている。

「あ、お邪魔しています!」

ひまわりがあわててあいさつした。

太陽は、
「なんだよ、ばーちゃん、忙しいんだけど」
と急に入ってきた祖母を邪魔に思っていたが、
「仕事じゃ」
と言われた瞬間、驚きあわてて姿勢を正して座った。

『仕事って・・魔法相談所の?』

何の準備もしてないのに、突然舞い込んできた仕事にひまわりはびっくりする。

それとは逆に太陽は目をキラキラ輝かし、
「え!?なんだ!?何の仕事だ!?」
と、やる気十分のようだ。

おばあさんは座布団の上に座ると、二人の前に一枚の写真を差し出した。

「相談者は、数日前から大切なペンダントをなくしたそうで、それを探し出してほしいと依頼しに来たんじゃ」

仕事内容をを聞いた瞬間、あんなに目を輝かしていた太陽が急にムスッとしたような顔に変わった。

「なんだよ!
そのしょーもない相談は!!警察にでも頼め!!」

太陽としてはもっと大きなスケールの相談だと想像していたのだろうか。
意外と小さな用件で、やる気が一気に失せたようだ。
そんな太陽の態度に、おばあちゃんが一喝する。

「ほう、よく言ったな。
そんなしょーもない相談でも、
太陽は即解決できる力を持っているのかい?」

そう言われた太陽は、「うっ」と言葉をつまらせた。

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み