第2話:魔法相談所開設(その8)

文字数 567文字

おばあちゃんはお茶を飲みながら、
「魔術を使って、人や物を探す方法なのだが、強い魔力を持ってないと上手くいかなくてね。
難なくできるのが、今のところうちの一族では大地だけなのじゃよ」
と説明した。

雨夜家で今一番、魔力が強い大地が不在のため、おばあちゃんもいろいろと困っているようだ。

ひまわりはチラッと太陽を見た。

太陽は写真を握り締めて、ああでもない、こうでもないとブツブツひとり言をつぶやいている。

大地にしか使えない術ということは、たぶん太陽では、全く使うことができない術なのであろう。
それでも太陽はやる気のようである。

「じゃ、よろしく頼むよ」

そう言うと、おばあちゃんは部屋から出て行った。

ひまわりは太陽の顔を伺いながら、
「どうします?」
と聞いた。

太陽は頭をポリポリかきながら、
「どうしますって言われても、何の手がかりもないんだから、追跡術をやってみるしかないだろ?」
と言ったので、ひまわりはギョッとする。

「えっ、あっ、でもっ、大地さん以外は誰も出来ないんじゃ・・」

アワアワしているひまわりに、太陽はムッとする。

「あのなぁ、おれだって何回かに1回ぐらいは魔法が使えるんだよ!
最初から上手く行かないって決めつけるな!」

太陽にそう言われて、ひまわりは反省した。

確かに、最初から太陽が「何もできない」と決めつけて疑うのはよくないことだからだ。
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