第2話:魔法相談所開設(その13)

文字数 578文字

誉められることは喜ばしいことだが、ひまわりとしては特に何かがんばったわけでもなく、見よう見まねしたところ、たまたま動いただけのことだったので、すっかり恐縮してしまっている。

「あ、でもおばあさん、ここにペンダントがあるとは限らないですよ。
ただ単に風にあおられて、ここに飛んできただけかもしれないので・・・」

と、ひまわりが否定的にモゴモゴと説明していると、
「あるんじゃねーの」
と横から太陽が割って入ってきた。

「え?」

ひまわりが振り返ると、太陽は背を見せ、
「魔力が強いひまわりがやればいいじゃん。
おれなんかいなくてもさ」
とぶっきらぼうに言い捨てるとスタスタと来た道を帰っていっているではないか。

ひまわりとおばあちゃんは目が点になる。

「え!?
ちょ、ちょっと桐島くん!
どういうことなんですか!?
待ってください!」

ひまわりはあわてて叫んだが、太陽はそのままどこかへ消え去ってしまった。

残されたひまわりは、その場で立ち尽くすしかなかった。

『そ・・・そんな・・・
「ひまわりがやればいい」って別に私はやりたかったわけじゃなくて、桐島くんのプロジェクトに勝手に巻き込まれただけなのに・・・』

「あーあ、全く何をすねているんだか」

おばあちゃんは、呆れたようなため息を大きくついた。

そしてひまわりに、
「ひまわりちゃん、気にしないでいいよ。
太陽が勝手にすねているだけだから」
と言った。
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