第9話:秀一は早稲田大学商学、博美は早実を目指す

文字数 1,596文字

 兄の方は、早稲田大学商学部を目指すと宣言した。希望する本やCD、その他、受験に必要なものを買い与え、パソコンも秀一には、ウインドウズパソコンを妹の博美には、アイマックを買い与え、光ファイバー回線も借家に引き入れた。それを利用して博美が、秀一にインターネットの使い方を習って活用し始めた。2004年11月からスカイプという電話の機能を持ったソフトに興味を持っているようだった。

 やがて2004年が終わり2005年を迎えた。この頃、長女、博美が早稲田実業に入りたいと言い、目標を決めたと話していた。2005年の4月の一斉テストで、早稲田実業の合格確立75%、もう一息という結果が出た。理科、数学の成績がいまいちだとわかり、島村善次が、理数科が得意だったので教えた。そして、問題集を解く事に重点を置くように指導した。

 今年の夏、エアコンを聞かせて秀一も博美も勉強をして、疲れると仮眠するというサイクルで、勉強を継続していった。その後、2005年の10月の一斉テストで、早稲田実業の合格確立80%となり合格ラインに入ったと、博美は大喜びしていた。それでも問題集を解くことに重点を置いて勉強を続けていた。疲れると気分転換に秋葉原の無料視聴室で音楽を聴いて楽しんでいるようだった。

 そうしてるうちに2005年が終わり2006年を迎え、博美の早稲田実業、受験の年となった。もちろん初詣に行き、早稲田実業の合格祈願をして合格絵馬を奉納してきたのは言うまでもない。少しすると、早稲田実業の受験願書を手に入れ、提出して、受験日が2月8日と決まった。受験日には、両親がついていき、緊張をほぐすように言った。
「その後、笑顔で受験会場に入、出てきた時、ベストは尽したと小さな声で言った」。
合格発表は2月10日だった。

 2月10日、自宅から50分かけて、国分寺の早稲田実業へ行き、掲示板を見ると、博美が、自分の受験番号を見つけ合格したと喜んだ。まーまだ、第一段階ですけどねと、舌を出しておどけて見せた。その後、近くのレストランで昼食をとった時、来年は、兄の早稲田大学、受験の年だねと言った。私も早稲田大学の建築学部を目指したい、はっきりと言った。

 その晩、秀一が博美に、早稲田実業、合格おめでとうと言うと、今まで気丈だった、博美の目に涙が浮かび、流れ落ちた。店員40人と少ないので、内心、不安だったろうと、慰めると、本当に受かったんだ、実の所、今日は、朝起きてから、怖くて、怖くてしょうがなかったのと言い、母に抱き着き長い間、泣き続けた。その娘の頭をなでて、ほんとの良い子だねと子供をあやすように言った。

 その後、4月から、兄の秀一が、来年の早稲田大学商学部受験を目指し、ラストスパートの1年が始まった。しかし、疲れたら休むというリズムで、継続的に問題集を解く毎日が続いた。そして、突然、父が、秀一に、今一番、欲しい物は何かと聞くと、ステレオと言うので、わかった、今週の休み、一緒に行って、買ってこようと言った。4月16日、日曜日、10時に家を出て11時に、秋葉原に到着。

 父が、一番欲しい、ステレオセットを選べと言った。秀一が、いくら位まで、出してくれのと聞くので100万円伝えると、そりゃ、すげえと言った。ます、腹ごしらえしてからにしようと言い、近くのレストランで、焼き肉を食べた。その後12時頃から、アンプ、スピーカー、ターンテーブル、CDレコーダー、レコード、CD全集などを選び始めた。14時には、すべて決まり、その量は、かなりの量になり、送料もかなりかかった。

しかし、十分満足してくれたようだった。全部、終了した後、近くの喫茶店で珈琲をのんで、父が秀一に、将来、何がしたいと聞くと、親父みたいに、投資で金を設けて、自分の必要な金額だけ残して、それ以上稼いだら、世のため、人のために使おうと思っていると話した。
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