第31話「最終話」:2人の孫の誕生

文字数 1,742文字

 この年も日本列島の気候は、荒れ模様であった。6月の大阪北部地震は、学校のブロック塀が倒れ通学中の小4女児が死亡するなど6人が犠牲になった。7月の西日本豪雨は14府県で計220人を超える死者を出し、平成最悪の豪雨災害。

 広範囲な土砂崩れなどで1万7000戸以上が全半壊。避難所で暮らす被災者は一時、1万2000人を超えた。「災害級の猛暑」が続き、同月23日には埼玉県熊谷市で国内観測史上最高の41.1度を記録した。和光市でも猛烈な暑さだった。

 2018年7月22日、電話で秀一に、可愛い女の子が生まれ、和美「かずみ」と名付けた。母子ともに健康で異常なしと連絡してきた。24日の夜、島村善次と奥さんの節子さんが訪問して、可愛い赤ちゃん顔を見て、大喜びした。可愛いけど、今年は忙しい年になりますねとつぶやいた。

 9月の台風21号は近畿地方を縦断し10人以上が死亡。高潮で関西国際空港が閉鎖され関西経済に打撃を与えた。を記録した同月の北海道地震は、最大震度7、厚真町を中心に41人の犠牲者が出た。震源地に近い苫東厚真火力発電所が停止、道内ほぼ全域の295万戸が停電。

 12月2日、博美から電話で節子さんに可愛い男の子が生まれ、名前は、一義「かずよし」としたと報告してきた。6日の夜、島村善次と奥さんの節子さんが、博美宅を訪問して可愛い赤ちゃん顔を見て大喜びした「今年は忙しい年になるから、頑張らなくてはね」と告げた。

 2019年7月16日、早朝、70000円の気配値が出ていたので1000株を成り行き売りし、すぐ売れた。
その結果、税引き後利益6375万円となり残金が約1億円となった。

 2020年を迎えた。1月8から10日には中国・湖北省武漢市で原因不明の病気の発症が相次いでいることが各メディアで報道されるようになってきた。情報源は中国国営中央テレビといった感じで他国の報道によるところが多かった。この段階で過去に流行したウイルスとは異なる新型と言われた。

 しかし、日本国内ではほとんど対岸の火事といった受け取られ方だった。2020年1月14日、世界保健機関「WHO」が、新型のウイルスが検出されたと認定。この段階では人から人への感染が確認されていないことから、WHOは渡航制限などの措置を取らないよう求めた。

 武漢市で41人が発症、うち1人が死亡している。これに先立つ13日には観光でタイを訪れた武漢市の女性が発症し、これが中国以外での初の発症例となった。WHOが専門家による緊急委員会1月22日に開くことを決定する。日本では政府が関係閣僚会議を開催。

 安倍晋三首相は水際対策の徹底や国内で関連性が疑われる患者の把握など情報収集の徹底を指示。赤羽一嘉国土交通相や加藤勝信厚生労働相が水際対策を強化する方針を示す。この時点で島村善次と奥さんの節子さんが自分の敷地内に秀一と博美の家を建てないかと持ち掛けた。資金的に厳しいなら援助すると約束。

 すると秀一と博美も同意した。1月25日、島村善次と同じ太陽光発電装置付き4LDK120平米、総2階建ての家をそれぞれ4千万円で建てた。島村善次が子供達の資金の不足分4千万円を無利子で貸した。そして5月18日に完成し、引っ越してきた。

 もちろん新型のウイルスについて詳細が判明していないので、買い物以外、外出禁止としてマスク、うがいを励行し、時の過ぎるのを待つしかなかった。しかし、残念ながらこの問題が世界中で大きくなってきて不安な日々を過ござるを得なくなった。

 当時、企業は、不景気で退職金、割り増し制度で退職者を募っていた。そこで子供の面倒も問題もあり島村夫妻は、早期退職に応募して退職金、2人で6千万円をいただいた。そして孫の和美と一義の面倒を祖父母が見てやることにした。これには、秀一も博美も感謝、その後、ミルクをやったり、おむつ替えをした。

 そして面倒を見て、親たちが返ってくると交代し夕食の支度をして疲れ切って島村善次と節子さんは、両親が返ってくる21時過ぎには、風呂に入り、疲れのため、すぐに床に入った。「しかし、昼寝をしてる孫達の天使の様な笑顔を見ていると、自分たちが幸福感に包まれることを実感でき、夢のような時間だった」。「終了」
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