第10話
文字数 563文字
3ヶ月前、高校時代の友達の雪穂からいきなり連絡が来た。
チケットが余ってしまったから、一緒にイベントに行って欲しいとのことだった。
もともと雪穂は別の友人と2人でそのイベントに行く予定だったが、一緒に行くはずだった友人が突然体調不良になってしまったらしい。
私はアニメにもゲームにもあまり関心はなく、詳しくないから行っても楽しめないのではないかと最初躊躇ったのだが前方の席なので空席を作りたくないと熱弁され、そういうことなら、と了承したのだった。
公演当日。
今日の公演はお芝居の舞台パートと歌やダンスのライブパートの2部構成になっている。
自分の分と、行けなくなった友人から託されたという応援グッズの両方を持って、雪穂は会場に現れた。
リュックとトートバッグの二刀流ですでに雪穂は大荷物だ。
「今日は来てくれてありがとう!このうちわとサイリウムを来れなかった友達の代わりに使って応援して欲しいんだ」
「…わかった。お借りします」
うちわは手作りで応援メッセージが書かれていた。
可愛らしくデコレーションしてあるうちわ。
サイリウムには彼女の推しのイメージカラーのリボンが綺麗に巻き付けてあった。
自宅で推しの俳優を想いながら一生懸命作ったのだろう。
グッズからこの公演をずっと楽しみにしていたことがひしひし伝わってきて、私はそれらを握る手に力を込めた。
チケットが余ってしまったから、一緒にイベントに行って欲しいとのことだった。
もともと雪穂は別の友人と2人でそのイベントに行く予定だったが、一緒に行くはずだった友人が突然体調不良になってしまったらしい。
私はアニメにもゲームにもあまり関心はなく、詳しくないから行っても楽しめないのではないかと最初躊躇ったのだが前方の席なので空席を作りたくないと熱弁され、そういうことなら、と了承したのだった。
公演当日。
今日の公演はお芝居の舞台パートと歌やダンスのライブパートの2部構成になっている。
自分の分と、行けなくなった友人から託されたという応援グッズの両方を持って、雪穂は会場に現れた。
リュックとトートバッグの二刀流ですでに雪穂は大荷物だ。
「今日は来てくれてありがとう!このうちわとサイリウムを来れなかった友達の代わりに使って応援して欲しいんだ」
「…わかった。お借りします」
うちわは手作りで応援メッセージが書かれていた。
可愛らしくデコレーションしてあるうちわ。
サイリウムには彼女の推しのイメージカラーのリボンが綺麗に巻き付けてあった。
自宅で推しの俳優を想いながら一生懸命作ったのだろう。
グッズからこの公演をずっと楽しみにしていたことがひしひし伝わってきて、私はそれらを握る手に力を込めた。