第2話

文字数 350文字

9時40分。
次の予約の患者さんの検査に必要なものを揃えながら、今日のランチはどこに行こうか、雨が降ってきたなら近場で済ませたいなぁ、などと取り留めのないことを私は考えていた。
バックヤードは狭くてスペースが無いので、お昼休みはみんな外にランチを食べに行く。
お昼ごはんメニューが午後の仕事のモチベーション向上にも繋がるので、ここはじっくり吟味しなければならない。
親子丼にしようか、パスタにしようか、中華にしようか、オシャレなカフェごはんで優雅にランチを楽しむのも良い。
それにしても一向に誰も来る気配がない。
物音ひとつしない静寂がこの空間を支配している。
雨の音は聞こえないから、今は霧雨みたいな感じなのかもしれない。
院長は自室に篭ってしまったので、私は誰もいない検査室からチーフのいる受付に戻ることにした。
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