第44話

文字数 947文字

 希、大学3年。この2年、10人集めることができなかった。しかし4年生が抜けたりしながら2名の増員ではある、現在紫乃を入れて8名。その中で34分の壁を越えられていないのは3人。少数ながら優秀過ぎるメンバーと言える。やっとここまで来た。来年がラストチャンス。千風が入学してくる。それまでに残り1人と全員の34分の公式記録クリアを準備しておきたい。公認競技会は関東の場合、月に1回以上開催されている。


 トレーニングは主にクロスカントリーを取りいれた。クロスカントリー走は膝や股関節といった関節への負担を軽減しながら、体を効果的に追い込む。
 また、不整地を走る時には自然とバランスを取ることが求められるため、バランスのとれた柔らかい走りを手にすることが出来、太ももを上げる腸腰筋も効果的に鍛えることが出来るなど、脚力向上にも効果的。

 練習の最後に必ず取り入れたのはウインドスプリント。

 短い距離をリラックスしながら、スタートから徐々にペースを上げてゴールに向けて徐々にペースを落としていく。
 ジョグでは使っていなかった筋肉を刺激しリラックス効果や疲労回復効果が期待出来る。


 そして筋肉……筋肉は大きく分けると、短距離型の速筋繊維と長距離型の遅筋繊維のふたつの繊維から出来ている。

 これは誰もが両方持っていて、たいていの人は短距離型と長距離型の筋肉はほぼ半々。どちらかに偏っているのは生まれ持っての才能と言えるかもしれない。
 ただし筋肉を増やすことは出来る。

 大腿四頭筋は正しいフォームで長時間走ることができ、下腿三頭筋を鍛えることで脚力の向上が見込める。
 ハムストリングスは膝関節の屈曲と股関節の伸展を、怪我の予防となる。

 長時間走り続ける長距離走は、体の土台である体幹にも大きな負荷がかかる。よって長距離においては、腹筋や背筋は下半身と同じくらい重要とされる。脊柱起立筋を鍛えることで、安定したフォームを可能にする。
 腸腰筋を鍛えることで、体幹の安定感が増し、長時間走っても疲れが溜まりにくくもなる。



 大学4年間、その短期間で人材をチームカラーに適合させている時間は少ない。チームカラーにあった選手こそが、この短期間でのチーム編成には大事。
 希がその人選を担ってきて戦えるチームを作り上げてきた。
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