第23話 先輩たちの待つゴールへ

文字数 608文字

 3区、烏丸鞍馬口→烏丸通→室町小学校前で折り返し→烏丸通→紫明通→堀川通→北大路通→第3中継所の船岡山・北大路口。2区と同様に交差点を多く通る区間の3.0キロ。

 そして4区は3.0キロ。 船岡山・北大路口から北野中前。
船岡山・北大路口→北大路通→西大路通→第4中継所の北野中学前。

 スタートしてから紙屋川手前まで一気に上り坂。そしてその後は一気に下り坂となる。風は北大路通では右から左に吹いているが西大路通に入ってからは左大文字からの追い風が吹く。


 女子での最大の勝負ポイントは区間の短い3・4区。ここに力のある選手を置けるチームが優勝への近道となる。
 聖和高は3区青虹空光(せいこくみ)、4区・桐野江彩霞(きりのえあやか)。二人とも3年生で経験のあるランナー、聖和高も実力校に負けない布陣である。

 しかし駅伝とは怖いスポーツ、二人の実力が発揮されない。襷の重みが気合を空回りさせ無駄な力みを生む。
『気負い過ぎ』という奴だ……。
 責任感が、仲間への想いが、積み上げてきた時間が独り歩きして襷を無用に重くする……。駅伝は良くも悪くもリレーする、それが時に悪い方へはたらくことがある。

 駅伝走者は勘違いすることがある……襷に走らされていること……もちろん襷が力をくれることもある。しかし走っているのはランナーだ、道具が選手に力を貸してくれるとき、それはいつだって楽しんでいるときのはずだ。



 大会連覇を狙い1位をひた走る松島育英高校との差は広がる一方。
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