第11話 【再戦】
文字数 3,924文字
長いタイトルを付けたいが‥‥、取り敢えずは【再戦】
民宿での一泊は、コーコを元の前向きな脳天気女子に戻した。昨日の大学生が車で迎えに来ていた。コーコは、遠慮なく駅まで送ってもらった。後日知ることになるが、その大学生はコーコを警護する一人だった。知らされていなかったトウコに、何度も撃たれそうになったのだ。
砂丘の野営地に戻ると、G二十八号の修理は終わっていた。ただ、サイバー攻撃で暴走した事案だけが解決されていなかった。ドクター達と整備班が撤収の準備を始めていた。その様子にコーコは、驚き慌て尋ねた。
「‥‥どうしたんですか。」
「今回は、これで撤収します。」
リツコの返事にコーコは、食い下がった。
「でも、もう一度戦わないと採用されないと、聞きました。」
「そうです。これは、上層部の決断です。」
ドクター達のもとに駆け寄るとコーコは、詰め寄った。
「諦めるんですか。」
ドクター達は、何時もと違って元気がなかった。
「今回は、残念する。」
「悔しいが、遠隔操作の乗っ取りが解決できない。」
「基本性能は、富岳より上回っているんだが。」
暴走した原因となるサイバー攻撃の対応が解決されずにいた。所長も到着していたが、【引きこもり姫】をしても対策に間に合わなかった。
「諦めてどうするんですか。ドクター達の夢と愛と意地が乗っているのでしょう。」
コーコは、必死に説得した。
「コーコが、G二十八号に直接乗ります。」
コーコの決断に、模擬戦の再戦が決まった。コーコは、心底嬉しかった。
「富岳とのシミュレータできますか。」
コーコの突然の提案にドクター達は唖然とした。撤収が中止になって昼食に向かおうとしていた。
「食べてからでもいいか。」
「儂らは、朝からおやつもしてない。」
それを聴いていた所長が言った。
「わたしがしましょう。」
所長は、自分でプログラムを組み始めた。
「用意してください。十分で走らせます。」
コーコは、着替えてトレーラーの操縦室に入った。富岳との戦闘データから模擬戦用のシミュレータの表示を見てコーコは、我が目を疑った。
「‥‥レベル38、って、嘘でしょう。」
コーコは、絶句した。
「今まで、わたしがしていた模擬戦の相手は、何だったのよ。‥‥でも、まぁ、やってみるわ。」
まったく相手にならなかった。後で知ったが、その表示されるレベルは基本的なものだった。富岳のスペックは、それよりも高かった。コーコが何度も挑む鬼気とした姿にリツコは、窘めた。
「少し息抜きをしなさい。そんなに根を詰めては続かないわよ。」
「いいぇ、これでは、エリカ様と勝負ができません。」
コーコは、悲壮感を漂わせながら何度も挑んだ。
昼食から戻ったドクター達は、コーコの様子を見て勝手なことを言い合った。
「嬢ちゃんて、あんなキャラだったか。」
「一皮むけたかの。」
「あれが、本性かもな。」
「将来、肝っ玉母さんになるぞ。」
模擬訓練に取り組むコーコだったが、遅々として上達しなかった。富岳からのデータを元にしたレベル38でのシミュレータは、無残にも勝機すら掴めない有様だった。
「私から、努力を取ったら何が残るのよ。」
コーコは、そう呟きながら何度も挑み負けた。
「‥‥愛嬌だけでは、勝てないのね。」
翌日の再戦を前にコーコは、自分を追い込んでいった。その姿は、体育会系だった。
翌朝からもコーコはシミュレータを使った。遅々として進展はなかった。それでも、前向きに負け続けた。昼からも早々にシミュレータに乗り込んだ。満足できる負けようでなかったが、コーコなりに腹を括れた。
「コーコは、本番につよいから。大丈夫よ。」
時間になると、コーコは冷たいシャワーを浴びて気持ちを引き締めた。G二十八号の腹部の入口に上がった。見守るドクター達の心配そうな視線に笑顔を返した。
「どんな武器でも壊せないのでしょう。信じます。」
コーコは、起動させた。シミュレータで訓練を積んで来た身には、その振動は怖くなかった。むしろ、G二十八号の気持ちが伝わってくるようで安堵できた。
『これで、エリカ様と同じね。』
コーコは、思った。
『‥‥でも、なんか暑くない。』
「‥‥なんか息苦しい感じなんですが。」
「エアコンの調子が良くないと、言っただろう。」
工場長が、サブモニターに顔を割り込ませて言った。
「利きが弱いんだよ。搭乗する予定がなかったからな、修理が後回しだったんだ。」
「はぁ‥‥、窓とかないですよね。」
「あるかぁ、そんなもの。」
「‥‥はぁ、そうですよね。‥‥最悪。」
コーコの何時ものセリフが口から出た。
「でも、何とかなる。常夏娘、気合で行きます。」
リツコとドクター達は、そのコーコの様子に唖然と見送った。
「コーコ、G二十八号、行きまーす。」
富岳が仁王立ちして待っていた。
「芋娘も覚悟を決めたようですね。」
「わたしは、エリカ様に勝ちたいです。」
「そうですか。いいでしょう。」
富岳は、長い棒を手にしていた。
「切れないなら、叩き潰してあげましょう。覚悟しなさい。」
戦いは、壮絶を極めた。G二十八号は、何度も叩かれて飛ばされ転がされた。エアコンの利きが弱い操縦席の中で激震に歯をくいしばって耐えた。コーコは、叩かれても叩かれても決して後退しなかった。
「‥‥怒りだけで戦ってはいけない。」
コーコは、G二十八号に語り掛けていた。
「そうでしょう。」
『この富岳の武器では、勝てないけれど。』
エリカは、そう思いながらも嬉しかった。叩きのめしても挑んでくる強い気持ちが。
「芋娘。とことん付き合ってあげますわよ。」
勝負は、着かなかった。判定があれば富岳の一方的な勝利だっただろう。
模擬戦が終わろうとしていた頃、海に落ちる夕日の中に熊のような黒いシルエットのロボットが浮かび上がった。上陸してくる黒い熊に誰もが呆然としていた。
富岳のコントロール室にいた一等陸佐は、その黒い熊の姿を見て呟いた。
「‥‥まさか、」
同時に、直接命令を下した。
【エリカ、後退だ。】
「ジャミングです。通信が遮断されています。」
通信士の返事に一等陸佐は、即座に命じた。
「後退の発行信号を上げろ。」
そう命令を出した時、黒い熊がG二十八号と富岳に肉迫していた。
「‥‥何です。」
そう呟くエリカの判断も操作も間違っていなかった。G二十八号を庇うように間に入り防御しようとした。その富岳の動きを上回る速さで黒い熊は、富岳の頭部を掴み螺子切っていた。
「‥‥エリカ様ッ。」
思わずコーコは、叫んでいた。富岳が人間のように崩れ斃れるのを信じられない思いで目で追った。
「‥‥嘘でしょう。」
コーコは、呻きながらもG二十八号を構えさせた。
「敵でいいのね。」
G二十八号は、一直線に黒い熊に迫った。着膨れした体躯は、受け止めた。
「‥‥受け止めた。でも、力はこっちが上よッ。」
コーコは、一気に力を込めて押した。G二十八号の力に黒い熊は、押し戻された。G二十八号は、相撲のように組み付いた。
「こうしていれば、逃がさない。武器は無いけど、頭突きでやってやる。」
コーコは、抱きついたまま頭を打ち振って攻撃した。
「噛みつけないの。この口って飾りなの。」
後方の統括司令部は、混乱していた。突如出現した未確認の黒い熊に右往左往の
収拾がつかない状態だった。
G二十八号のコントロール室は、混乱の中でも盛り上がっていた。
「データの収集を怠るな。」
「何処のものかは知らんが、G二十八号に挑むなんて身の程知らずめ。」
「在日米軍の認識コードが出ているぞ。」
黒い熊は、体捌きのようにG二十八号から逃れた。
「‥‥えっ、何故よッ。」
コーコは、逆に後ろから絡み絞められた。柔道の絞め技に似ていた。
「‥‥この尻尾は、飾りじゃないのよ。」
跳ね上げた尻尾の力で黒い熊から逃れた。
「お姐さん。コルセットの赤いスイッチを押してください。」
突然の所長の声に、コーコは躊躇わずにスイッチを入れた。
「一度しか使えません。」
上から頭部を覆うカバーが降りてコーコの顔に被さった。
「‥‥ええっ、何なんですか。」
「お姉さんの目を守る装置です。」
G二十八号の口の奥が光り始めた。操縦席のスクリーン全体に特殊な遮光フィルターが掛かった。
「口からレールガンが放てます。ですが、有効照準射程距離は十mなのでなるべく接近してください。離れると、ヒットしません。」
「‥‥えっ、なに、分からない。」
コーコは、半ばパニクっていた。頭部を覆うカバーの中に機器の表示が現れた。
「視線で照準がロックできます。敵を見て下さい。」
「‥‥もぅ、よく分からないけど、やってみます。」
コーコは、近付きながら視線を黒い熊に向けた。
「照準固定の表示がでてから、発射可能の表示が出ます。トリガーは、音声認識で行けます。」
所長の説明を聴きながら、照準が固定され発射可能の表示を見るとコーコは叫んだ。
「‥‥これでいいのね。発射。」
G二十八号の口から放たれた閃光は、砂丘全体を真昼のように明るくした。黒い熊の左腕が跡形もなく消滅した。あまりの衝撃にコーコは、失禁しそうになっていた。
「‥‥外した。‥‥いぇ、かわされたの。」
民宿での一泊は、コーコを元の前向きな脳天気女子に戻した。昨日の大学生が車で迎えに来ていた。コーコは、遠慮なく駅まで送ってもらった。後日知ることになるが、その大学生はコーコを警護する一人だった。知らされていなかったトウコに、何度も撃たれそうになったのだ。
砂丘の野営地に戻ると、G二十八号の修理は終わっていた。ただ、サイバー攻撃で暴走した事案だけが解決されていなかった。ドクター達と整備班が撤収の準備を始めていた。その様子にコーコは、驚き慌て尋ねた。
「‥‥どうしたんですか。」
「今回は、これで撤収します。」
リツコの返事にコーコは、食い下がった。
「でも、もう一度戦わないと採用されないと、聞きました。」
「そうです。これは、上層部の決断です。」
ドクター達のもとに駆け寄るとコーコは、詰め寄った。
「諦めるんですか。」
ドクター達は、何時もと違って元気がなかった。
「今回は、残念する。」
「悔しいが、遠隔操作の乗っ取りが解決できない。」
「基本性能は、富岳より上回っているんだが。」
暴走した原因となるサイバー攻撃の対応が解決されずにいた。所長も到着していたが、【引きこもり姫】をしても対策に間に合わなかった。
「諦めてどうするんですか。ドクター達の夢と愛と意地が乗っているのでしょう。」
コーコは、必死に説得した。
「コーコが、G二十八号に直接乗ります。」
コーコの決断に、模擬戦の再戦が決まった。コーコは、心底嬉しかった。
「富岳とのシミュレータできますか。」
コーコの突然の提案にドクター達は唖然とした。撤収が中止になって昼食に向かおうとしていた。
「食べてからでもいいか。」
「儂らは、朝からおやつもしてない。」
それを聴いていた所長が言った。
「わたしがしましょう。」
所長は、自分でプログラムを組み始めた。
「用意してください。十分で走らせます。」
コーコは、着替えてトレーラーの操縦室に入った。富岳との戦闘データから模擬戦用のシミュレータの表示を見てコーコは、我が目を疑った。
「‥‥レベル38、って、嘘でしょう。」
コーコは、絶句した。
「今まで、わたしがしていた模擬戦の相手は、何だったのよ。‥‥でも、まぁ、やってみるわ。」
まったく相手にならなかった。後で知ったが、その表示されるレベルは基本的なものだった。富岳のスペックは、それよりも高かった。コーコが何度も挑む鬼気とした姿にリツコは、窘めた。
「少し息抜きをしなさい。そんなに根を詰めては続かないわよ。」
「いいぇ、これでは、エリカ様と勝負ができません。」
コーコは、悲壮感を漂わせながら何度も挑んだ。
昼食から戻ったドクター達は、コーコの様子を見て勝手なことを言い合った。
「嬢ちゃんて、あんなキャラだったか。」
「一皮むけたかの。」
「あれが、本性かもな。」
「将来、肝っ玉母さんになるぞ。」
模擬訓練に取り組むコーコだったが、遅々として上達しなかった。富岳からのデータを元にしたレベル38でのシミュレータは、無残にも勝機すら掴めない有様だった。
「私から、努力を取ったら何が残るのよ。」
コーコは、そう呟きながら何度も挑み負けた。
「‥‥愛嬌だけでは、勝てないのね。」
翌日の再戦を前にコーコは、自分を追い込んでいった。その姿は、体育会系だった。
翌朝からもコーコはシミュレータを使った。遅々として進展はなかった。それでも、前向きに負け続けた。昼からも早々にシミュレータに乗り込んだ。満足できる負けようでなかったが、コーコなりに腹を括れた。
「コーコは、本番につよいから。大丈夫よ。」
時間になると、コーコは冷たいシャワーを浴びて気持ちを引き締めた。G二十八号の腹部の入口に上がった。見守るドクター達の心配そうな視線に笑顔を返した。
「どんな武器でも壊せないのでしょう。信じます。」
コーコは、起動させた。シミュレータで訓練を積んで来た身には、その振動は怖くなかった。むしろ、G二十八号の気持ちが伝わってくるようで安堵できた。
『これで、エリカ様と同じね。』
コーコは、思った。
『‥‥でも、なんか暑くない。』
「‥‥なんか息苦しい感じなんですが。」
「エアコンの調子が良くないと、言っただろう。」
工場長が、サブモニターに顔を割り込ませて言った。
「利きが弱いんだよ。搭乗する予定がなかったからな、修理が後回しだったんだ。」
「はぁ‥‥、窓とかないですよね。」
「あるかぁ、そんなもの。」
「‥‥はぁ、そうですよね。‥‥最悪。」
コーコの何時ものセリフが口から出た。
「でも、何とかなる。常夏娘、気合で行きます。」
リツコとドクター達は、そのコーコの様子に唖然と見送った。
「コーコ、G二十八号、行きまーす。」
富岳が仁王立ちして待っていた。
「芋娘も覚悟を決めたようですね。」
「わたしは、エリカ様に勝ちたいです。」
「そうですか。いいでしょう。」
富岳は、長い棒を手にしていた。
「切れないなら、叩き潰してあげましょう。覚悟しなさい。」
戦いは、壮絶を極めた。G二十八号は、何度も叩かれて飛ばされ転がされた。エアコンの利きが弱い操縦席の中で激震に歯をくいしばって耐えた。コーコは、叩かれても叩かれても決して後退しなかった。
「‥‥怒りだけで戦ってはいけない。」
コーコは、G二十八号に語り掛けていた。
「そうでしょう。」
『この富岳の武器では、勝てないけれど。』
エリカは、そう思いながらも嬉しかった。叩きのめしても挑んでくる強い気持ちが。
「芋娘。とことん付き合ってあげますわよ。」
勝負は、着かなかった。判定があれば富岳の一方的な勝利だっただろう。
模擬戦が終わろうとしていた頃、海に落ちる夕日の中に熊のような黒いシルエットのロボットが浮かび上がった。上陸してくる黒い熊に誰もが呆然としていた。
富岳のコントロール室にいた一等陸佐は、その黒い熊の姿を見て呟いた。
「‥‥まさか、」
同時に、直接命令を下した。
【エリカ、後退だ。】
「ジャミングです。通信が遮断されています。」
通信士の返事に一等陸佐は、即座に命じた。
「後退の発行信号を上げろ。」
そう命令を出した時、黒い熊がG二十八号と富岳に肉迫していた。
「‥‥何です。」
そう呟くエリカの判断も操作も間違っていなかった。G二十八号を庇うように間に入り防御しようとした。その富岳の動きを上回る速さで黒い熊は、富岳の頭部を掴み螺子切っていた。
「‥‥エリカ様ッ。」
思わずコーコは、叫んでいた。富岳が人間のように崩れ斃れるのを信じられない思いで目で追った。
「‥‥嘘でしょう。」
コーコは、呻きながらもG二十八号を構えさせた。
「敵でいいのね。」
G二十八号は、一直線に黒い熊に迫った。着膨れした体躯は、受け止めた。
「‥‥受け止めた。でも、力はこっちが上よッ。」
コーコは、一気に力を込めて押した。G二十八号の力に黒い熊は、押し戻された。G二十八号は、相撲のように組み付いた。
「こうしていれば、逃がさない。武器は無いけど、頭突きでやってやる。」
コーコは、抱きついたまま頭を打ち振って攻撃した。
「噛みつけないの。この口って飾りなの。」
後方の統括司令部は、混乱していた。突如出現した未確認の黒い熊に右往左往の
収拾がつかない状態だった。
G二十八号のコントロール室は、混乱の中でも盛り上がっていた。
「データの収集を怠るな。」
「何処のものかは知らんが、G二十八号に挑むなんて身の程知らずめ。」
「在日米軍の認識コードが出ているぞ。」
黒い熊は、体捌きのようにG二十八号から逃れた。
「‥‥えっ、何故よッ。」
コーコは、逆に後ろから絡み絞められた。柔道の絞め技に似ていた。
「‥‥この尻尾は、飾りじゃないのよ。」
跳ね上げた尻尾の力で黒い熊から逃れた。
「お姐さん。コルセットの赤いスイッチを押してください。」
突然の所長の声に、コーコは躊躇わずにスイッチを入れた。
「一度しか使えません。」
上から頭部を覆うカバーが降りてコーコの顔に被さった。
「‥‥ええっ、何なんですか。」
「お姉さんの目を守る装置です。」
G二十八号の口の奥が光り始めた。操縦席のスクリーン全体に特殊な遮光フィルターが掛かった。
「口からレールガンが放てます。ですが、有効照準射程距離は十mなのでなるべく接近してください。離れると、ヒットしません。」
「‥‥えっ、なに、分からない。」
コーコは、半ばパニクっていた。頭部を覆うカバーの中に機器の表示が現れた。
「視線で照準がロックできます。敵を見て下さい。」
「‥‥もぅ、よく分からないけど、やってみます。」
コーコは、近付きながら視線を黒い熊に向けた。
「照準固定の表示がでてから、発射可能の表示が出ます。トリガーは、音声認識で行けます。」
所長の説明を聴きながら、照準が固定され発射可能の表示を見るとコーコは叫んだ。
「‥‥これでいいのね。発射。」
G二十八号の口から放たれた閃光は、砂丘全体を真昼のように明るくした。黒い熊の左腕が跡形もなく消滅した。あまりの衝撃にコーコは、失禁しそうになっていた。
「‥‥外した。‥‥いぇ、かわされたの。」