二、クラウドファンディングの功罪(前編)

文字数 13,161文字

さー、早速やってくぞー!

と思ったけど、Part1の方にレスが来てたのでちょっと読んだり返したりしますね。
2017/05/29 21:34
>グリバーさん

> 費用対効果を考えるとどこまで宣伝するべきかとか助言出来たらよかったのですが、売る立場で考えたことがなく適当な助言をしてしまったと反省しております。

> ボードゲームの解説動画がいい例で、動画があった方が間違いなく売れるのですが、労力分の売り上げ向上になるのかと言われると私もよくわかっていないです。

これも後で触れるつもりでしたが、基本的には「やるまで分からない」だと思います。
まずいろいろやってみて、そこから数字を見て、適切な宣伝手法を取るのがベストかと。
でも、動画は絶対意味あると思いますよ。
2017/05/29 21:35
>海猫沢先生

> 去年ぼくもRAMCLEARというユニットで、初めてボードゲームを作りました。

銀さん……!
なんて狭いんだ、この世界!!!
2017/05/29 21:37
> ぼくが組んでるメインゲームデザイナーのツムキキョウという男が、天才すぎてマジでヤバイんですよ……。
> ゲムマ当日「あ、あれがない!あれが必要です!」と、会場から突然姿を消し、昼過ぎに「買ってきました!」って、銀座で手ぬぐいを買ってきたんです(いまだに意味がわからない……)。

やばい。これは天才すぎる。
凄腕マネージャーが確実に必要なケースじゃないですか。
2017/05/29 21:38
海猫沢先生とはまだリアルでお会いしたことがないんですが、お会いする時には畳地獄をプレイしてみたいですね~。

……ダンゲロス・ボードゲームは挨拶がてらにやるには長すぎるからなぁ。
2017/05/29 21:41
では、今回の本題。
『クラウドファンディングの功罪』です。

至道先生、随所に合いの手など入れて下さっていいんですよ……!
(ユーザーのみなさんも適宜なんか言うてね)
2017/05/29 21:43
前回も言っていたとおり、クラウドファンディングは基本的には「功」の方が大きいです。
なので、今回もそれをメインにやっていこうと思うので、先に「罪」の方を書いておきましょう。
2017/05/29 21:44
クラウドファンディングの罪①

「やる」っつったことはやらねばならない
2017/05/29 21:45
クラウドファンディングは「これをやります」「お金が集まったらこうします」「これだけ出してくれた人にはこれをします」という誓約を立ててからGOするものですが、当たり前っちゃ当たり前ですけど、言うたことはやらねばならない。

しかし、大体はプロジェクトがしっかりと固まる前に始めるものなので(まず資金が集まるかどうかすら分からないので固められない)、その頃は色んなことが曖昧なんですな。

で、おれのクラウドファンディングの支援者の方は、「ああ、あれか」と分かるかもしれませんが、そうです、あれです。
途中で、「あ、これ、ヤッベー……」ってなったわけですね。
2017/05/29 21:46
ボードゲーム版『戦闘破壊学園ダンゲロス』を豪華なイラスト陣で作りたい!

ちなみにクラウドファンディングのページはこちらです。

集まっている金額2,239,000円(目標 540,000円)
達成率414%
支援者数260人

大成功でした。こんなに集まるとは思いませんでした。すげえびっくりした。みんなびっくりしてた。

2017/05/29 21:49
で、問題の「やる」っつったことはこちらです。

ストレッチゴールは豪華作家陣へイラスト制作を依頼!

 また、さらに支援金が集まった場合、様々な作家さんにキャラクターイラストをお願いしていく予定です。
 
 ゲームの印刷費は架神恭介が自分で出費します。支援金はイラスト費以外については使用しません。各作家さんにお支払するお金だけを集める形になります。もしも支援金が余ったらさらにキャライラストを増強します!(ゲーム中で使える魔人カードが増えます)
 
目標金額の54万円を超えて+2万円集まるごとに作家一人に声を掛けてイラストを一枚発注すると、そういう話ですね。
2017/05/29 21:52
で、作家も5人くらいは押さえてたわけです。
事前に「こういうことやるんで、もし達成したらお願いしますよ~~」「よし、わかった」みたいな感じで。
なにせストレッチゴールなもんで、確実に仕事が発生するかどうか分からないので、あんまり多くの作家に声掛けられないんですね。この辺も地味にクラウドファンディングの弱さです。

まあ5人いれば十分だろう。むしろ何とかこの5人の先生には仕事を発注したいなあ。最悪、自分でカネ入れるか~~、くらいに思ってたんですよ。
2017/05/29 21:54
それがもうあっという間に目標金額を達成して、事前にお願いしていた作家枠もあっさり消費してしまい……。
2万円入るごとに新たに作家一人にオファーする、という状況になりまして、それでもまだまだ支援金は集まっていって……こうなるともう、

嬉しいガチ悲鳴ですよ。

これがもう、オファー作業がえらいことになっていってですね……。

2017/05/29 21:55
ありがたいことに大抵の作家さんは二つ返事で引き受けてくれたんですけど、こちら側の作業も少なからず発生するわけです。
作業フロー的にはこんな感じになります。

1、なんとかして連絡先を入手する
2、お願いしたいキャラを選定する
3、メールで企画を説明する
4、必要な資料の抜き出し、送付(漫画の該当キャラの登場シーンを切り出してZIPにまとめるとか)
5、様々な質問事項への応答

毎日6時間くらいずーっとこの作業をしてるのに、どんどん支援金が集まっていって、どんどんオファーすべき件数が増えていってですね。
全然終わりが見えない。
オファー以外の作業が何もできない。

「あ、これ、オファー作業だけで春のゲームマーケットまで忙殺だわ……」

ってなって、この時が一番キツかったですね。
2017/05/29 22:00
で、Faavoの担当者と相談した結果……

追記:1/17時点で124万円のご支援を頂きました。どんどんキャライラストを増やしていきたいと思っておりましたが、作業量との兼ね合い上、実際的に難しくなってしまいました。そのため、124万円以降は作家先生への資料費など製作面に使用させて下さい。詳しくはこちらを御覧ください。

こうなったわけです。
これもメチャクチャ胃が痛かったですね……。
「お金が集まれば無限にキャラが増えるって思ったから支援したのに!」って怒られても仕方ないわけで。

結構、ドキドキハラハラしてましたが、幸いにも、皆さん鷹揚に許してくれました。
めちゃくちゃ怖かった。
2017/05/29 22:03
つまりここから言えることはですね……。

クラウドファンディングは集まりすぎた時のことも考えなければならない

ということです。

正直、想像力が足りなかった。
そんなに集まると思ってなかったし、オファー業務がどのくらいハードなのかも全然考えてなかった。
2017/05/29 22:06
例えばですよ。

「3万円コース:あなたの長編小説を読んで、クラウドファンディング終了から1ヶ月以内に適切な助言(対面で1時間)をします」

こういうコースを設定した場合、状況によってはあなたは死ぬということです。

「俺に3万円も支援してくれる人なんて、そんないねえよ。だいじょうぶ、だいじょうぶ」

じゃなくて、

「仮に300人が支援したら俺は死んでしまう」

ということを考えなければならない。
支援してもらえるのはメチャクチャ嬉しいけど、命は大事なんだ!
嬉しい悲鳴……といっても、ガチの悲鳴になってしまう。
しかも、支援者は1ミリも悪くない。むしろ、すごくいい人たち。

だから、あなたは絶対に自衛しなければならない。
自分のためにも、支援してくれたみんなのためにも。
しっかり考えて無理のないリターンを設定しなければならない。
2017/05/29 22:08
ちょっと脇道に逸れてこぼれ話を一つ。
今回こんなことも分かったんですよ。

「仕事が欲しいならクリエイターは連絡先を公開すべき」
2017/05/29 22:14
先に断っておきますが編集部批判の意図は一切ないです。
その上で話を進めますが、今回、色んな作家先生にオファーしましたけど、編集部経由でのオファーは基本的に茨の道です。
作家先生に直接オファーできると話が早いんですが、編集部に連絡して、そこから作家先生に繋いでもらって……というのは、相当厳しいです。
2017/05/29 22:15
というのは、まあ、考えてみりゃ当たり前なんですけど、編集部としてはその作家先生に全力で自分のところの仕事をして欲しいわけですよ。
特に連載作家などは、「かがみとかいうよく分からんやつの同人ボドゲに参加したせいでクオリティが落ちた」とかなったら、その編集の責任問題にもなりますからね。

これがまだ「コカ・コーラ社からの依頼」とかだったら話は別でしょうけど、おれなんかとコラボしたって大して宣伝効果ありませんからね。
2017/05/29 22:17
なもんで、基本的には、やんわりと、丁寧に、編集部から断られます。
個人的なコネクションなしで、編集部経由で繋いでもらおうとした場合の失敗率は100%でした。(まあコネなしで編集部に繋いでもらおうとした絶対数が少ないのであれですが)

でも、個人的には出版社からもらうお金でも個人からもらうお金でも、お金はお金だと思うし、仕事をくれるなら誰からだって欲しいです。おれは。
実際、過去に個人の同人誌に寄稿したこともあります。ギャラを貰えれば全然やりますよ。

というわけで、同じような志のクリエイターは連絡先を公開した方が絶対良いです。
もちろん、その分、よく分からんトラブルに巻き込まれたりするかもしれないので(個人から依頼を受けて描いたけどギャラもらえなかったとか)、そのへんは自己責任で。
2017/05/29 22:19
クラウドファンディングの罪②

リターン品の経費はよく考えよう
2017/05/29 22:28
クラウドファンディングを始めるタイミングは、企画の初期も初期なので、とにかくやってる方も色んなことが分かってないわけですよ。

すると、どうなるか?

リターン品の設定を間違えかねないのです。
2017/05/29 22:29
来場者が書き込み可能になっていると思って、感想を発言させていただきます。

こんばんは、王道エンターテイメントのロイドです。
最初イラスト代を見た時「凄い資金を投資したなこのゲーム、
よっぽどイラストにこだわっているね」とおもいましたが、
そんなエピソードがありましたか。

実際にクラウドファンディングを投資する人というのは、
お客様じゃなくて、ゲームの投資者の一人と思って考えた方がいいと思います。
ゲームの延期、仕様変更とか避けられないことがありましたら、
発案者は投資者に報告して最善の対策案を出す役割を果たしただけで十分だと思います。

実際に、クラウドファンディングでお金を集めてゲームを作るの昔の案例というと、何年延期していた物もあります。

でも2万ごとイラストレーター一人増やすのは流石やりすぎですね。


2017/05/29 22:14
今回は5000円コースにボードゲーム本体がリターンで付いてきました。
で、当初はボードゲームの単価を1000円くらいとなんとなく考えてた。
つまり、内訳的にはこういうイメージでした。

+5000円
サービス手数料 ー1000円
ボードゲーム単価 -1000円
送料 -500円

つまり+2500円。
で、2万円集まるごとに作家先生一人に2万円でオファーしていく予定だったので、5000円入るごとに-2500円というビジョンだったわけです。

当初は趣味として考えてやっていたわけで、そんな感じでイイやって思ってたんですが、ビジネスとしてクラウドファンディングをやるなら、もはやこの時点で致命的に間違ってますね!
2017/05/29 22:30
間にセリフを挟み込んでしまっていいものですかね……?
書籍化した場合に、架神さんが上手く編集してくれるものと期待してと……。


>「仕事が欲しいならクリエイターは連絡先を公開すべき」

これ、まさに実感中ですよ。
トークメーカーの問い合わせフォームにですね、何人かのユーザーさんから「この先生を座談会に呼んでほしい」「次の座談会ではこの人を!」みたいなご連絡がスタッフのもとに入るんですよ。そこで弊社としても色々連絡手段を探すんですが、連絡先がないとか、ブログだけやってて問い合わせフォームや連絡先が一切ないとか、ツイッターしかやっていないというクリエイターさんが少なくないです。
編集部経由では、ちょっと難しいですよ。
ぼくも前に名刺交換したクリエイターさんとかは結構いるので、名刺を掘り返せば色々ツテはあったりするはずですが、一人一人に対してそんなことをしている時間がないのです。

ここで架神さんが言ってくれたのに便乗しますが、本当にクリエイターさんは、連絡先を公開すべきです、つながりがほしいなら。
2017/05/29 22:31
そして、前回言ったとおり……。
ボードゲームの単価は1000円どころか2200円ほどになってしまった。
これが! こんなことになるなんてことが! 最初の時点では分からなかった!!!!

+5000円
サービス手数料 ー1000円
ボードゲーム単価 -2200円
送料 -500円

差し引き+1300円

これはまだプラスがあったから良かったものの、下手をするとマイナスになる可能性すらあるわけです。
まあ、1200円分の押し出しにより、しっかりと赤字になったわけですが……。
2017/05/29 22:34
完全に結果論ですが……。

今になって思えば、おれがオファー業務に音を上げて、「すいません……ごめんなさい……この先は、制作費に回させて下さい……」と頭を下げていて本当に良かった。

この後の支援金を赤字補填に回せたから-30万円ほどで済んだけど、そうじゃなかったら凄まじいことになっていた。
2017/05/29 22:38
>Mr.ロイド

> 実際にクラウドファンディングを投資する人というのは、
> お客様じゃなくて、ゲームの投資者の一人と思って考えた方がいいと思います。
> ゲームの延期、仕様変更とか避けられないことがありましたら、
> 発案者は投資者に報告して最善の対策案を出す役割を果たしただけで十分だと思います。

なるほど……!
この視点は重要かもしれません。
おれは完全にお客様だと思ってやっていました。
とにかく、当初の計画通りには何事も進まないし、実際やってみないと分からないんですよね。

少なくとも始める前にそのことを自覚し、できればクラウドファンディングの企画意図にも盛り込んだ方がいいとは思います。
「こういうつもりでやるけど、実際やってみてどうなるかは分からん」的な。
2017/05/29 22:40
> 間にセリフを挟み込んでしまっていいものですかね……?

全然だいじょうぶですよ!
2017/05/29 22:42
>至道先生

> そこで弊社としても色々連絡手段を探すんですが、連絡先がないとか、ブログだけやってて問い合わせフォームや連絡先が一切ないとか、ツイッターしかやっていないというクリエイターさんが少なくないです。

ツイッターだけでもやっていらっしゃるなら、オファーできる可能性は格段に上がります!

自分で言うのもなんですけど、今回のおれのオファー作業は実は結構なことだったっぽくてですね。
ある人から、「これだけのクリエイターを繋げられるなら、これを仕事にしてもいいんじゃないの?」と言われて、「あ、そういうものなのか!」と思ったくらいです。
確かにすげえ大変な作業だったもんな……。

それに、周りを見てみたら、「繋げる」仕事をしている人が結構いたりする。

2017/05/29 22:43
>全然だいじょうぶですよ!

では、最初にクラウドファンディングの罪のほうからということで、経営面からのご指摘を書かせていただきます。
少しでもこのボードゲーム経営論が書籍として有用なものになればと……。


経営面からいうと、クラウドファンディングは好ましくないと想定されます。
なぜか。
日本では20%前後を運営会社に抜かれることですね。これはもう、経営者としては論外になってきます。
悪名高き商工ローンだってこの超低金利の状況では年利10%とかですよ。20%はかなりの一撃です。

たとえば会社で出資金を募るケースがあります。これなどは、誰か他社に抜かれるお金はありません。ほぼ99%が会社の資金として自由に使えます。
ただし正確に補足すると、増資の登記申請においては、増資資金の0.7%が登記費用として発生してしまいます。さらに正確に補足すると最低3万円とか様々な細かい登記にかかわる規定があるのですが、そうした方面はいったん脇におきましょう。

で、会社で資金を集めた場合には0.7%の登記費用という話に戻します。
たとえば3億円を集めたとしましょう。このとき、0.7%とすると、210万円が国にもぎ取られてしまうわけです。1億円の増資でも、70万円ですよ。我々経営者としては、歯ぎしりするほど苛立たしいものなのです。

資本金をデカく見せて信頼感を演出したり、株式公開を目指している場合には、資本金を積み上げる必要性が出てきます。そのようなケースにおいて、我々は0.7%の負担を泣く泣く行います。
でも、わざわざカネの桁の額という小賢しいことで営業上の信頼感を演出する必要もなく、株式公開を目指してもいない場合には、経営者が会社に資金を貸し付けるという処理で済ませる場合が多いです。経営者の自社への貸し付けは、"実質的に"増資とそれほど変わりありませんし、いやむしろ会社と個人の間で資金を自由に出し入れできるので、色々有利なんですね。0.7%がもぎ取られることもありません。

このような、爪に火を点すような方策を経て、コツコツと我々は日々研鑽しているわけです。
ここに、民間団体に20%も抜かれてしまうという事実は、多少大げさに言えば、我々の目の前を真っ暗にしてしまいます。

ただこれは結論ではないので、先を続けます――。
2017/05/29 22:49
いま、マンガ新連載研究会の方でもイベント用にいろんなゲストを呼ぶことを考えているんですが、相手の人と繋がりがないとイベントの企画が起こせないんですよね。

1、こういう方向性はどうか?
2、その方向性なら「知り合いの」この人がいけるのでは?
3、連絡を取ってみよう!

なので、2の段階で浮かぶのって基本的に知り合いか、少なくとも一度会ったことのある人、なんですよね。
もしくは一方的にすごく好きな人。

というわけで、コネって重要なんですよ。
よく「コネで仕事が来る」って言いますけど、そもそもコネ(面識)がないと、「この仕事ならあの人だな」の「あの人」に顔が浮かばないんです。

クリエイターは異業種交流会の類は絶対に行った方がいいです。
あと、酒の誘いもできるだけ断らない方がいい。
2017/05/29 22:47
> 日本では20%前後を運営会社に抜かれることですね。これはもう、経営者としては論外になってきます。

これに関しては、今回利用したFaavoの特殊性も絡んでくる感じですね。
もっと安い(手数料の低い)クラウドファンディングサービスもあります。
この点は触れようかどうか迷ってたんですが、では至道先生のご意見を待ってから、おれの見解も出すことにしましょう。

しかし、今日はこの辺にて失礼します。
クラウドファンディングの功罪の罪の方しか書けなかったな……。
明日はオフなので、次回は水曜夜を予定してます。
2017/05/29 22:52
続けます。

ただし、です。
クラウドファンディングには、ここに別の要素が加わってきますね。
広告です。

ここから先は、この"クラウドファンディングなる広告"が、20%というマージンを抜かれるだけの価値に見合うのかどうかを考えたいと思います。

この広告費として20%を払うべきかどうかですが、そこは個々人の状況によるものであり、結論はありません。

ただ、自分がクラウドファンディングのビジネスモデルを外から眺めている限りにおいて、「ここに登録している募集主たちって、自分で宣伝しまくっていて、クラウドファンディング運営事業者自体の宣伝力ってかなり小さいのではないか?」と想定されることです。
架神さんは、ご自身の宣伝力で220万円を集めたのであって、クラウドファンディング運営事業者が関わったからではないはずなんですね。
もちろん完全なるゼロとは言わないでおきましょう。それなりには貢献しているかもしれない、ただしマージンに見合うのかどうか。

だから本当なら、自分で(ワードプレスとかでいいので)クラウドファンディングサイトを立ち上げ、自分で募集するというスタイルが、本来なら一番メリットが大きいように感じるところです。アメリカとかには、個人用のクラウドファンディングのテンプレートが落ちています。

ここまでのお話を、どうか誤解なきように。
これは単に経営として割り切っているに過ぎず、この座談会で議論の一つを提供しているだけであることをご理解ください。さまざまな複合的要素があり、クラウドファンディングを否定しているわけでも、運営会社さまを否定しているわけでもありません。

これも結論ではないので、さらに続けてみます――。
2017/05/29 22:54

> 間にセリフを挟み込んでしまっていいものですかね……?


全然だいじょうぶですよ


をみてちょっと安心しました。
だめならコメントをコピペして挟み込み部分を削除して再投稿しようかなと思いました。

クラウドファンディングについて、
この前に稲船塾を第六期生として参加しましたので、
「Mighty No.9」マイティ―ナンバーナインというゲームからその概念を勉強しました。
そのゲームでは、すべでの応援者の名前を最後の製作者ロールに全員を載せました。
このゲームのお客様じゃなくて、生み親の一人ですの感じがありました。
一方、そのゲームも何回延期(何年を言った方が適切かも)で結構有名なので、よくないこともあります。
でも概念として、「お客様を満足為に自分が無理しなければならない」より正しいだと思います。
先払い客商売ではなくて、
資金のないクリエイターが作品を作れる為にある仕組みだと思います。

2017/05/29 22:38
ただし第二弾、です。

クラウドファンディング事業者が提供するスキームに乗っかることで、カネにまつわる煩わしいやり取りを大きく軽減できるというメリットは、ややもすれば非常に大きいかもしれません。
とくに会社実務に精通しているわけではない個人が、数十万円や数百万円を多数の人々から募ることは、非常なストレスと問題を発生させる可能性が大きいです。

これらのやり取りをスキームに乗っかることで全排除できるのならば、20%を抜かれてしまうだけの価値は出てくるのではないかとも想定されます。

また、クラウドファンディングで集めたカネというのは、法的な束縛が明確になっていない部分もあり、その気になれば着服などの温床にもなりますし、数十人、数百人もの人々とのカネの関係をひとまずとは言えどクラウドファンディング事業者を通すことで正当化できるのは、実はかなり有用なことなのかもしれません。

これはやはり個々人の事情によるところが大きいものです。
この最後の部分においては、たしかに20%を抜かれるだけの有用性は期待でき、ここまで考えて、クラウドファンディングもそれほど悪くはないかもしれないという結論に至りました。

「お前(=至道)は何を話しているんだ」と言われかねませんが、自分も書きながら考えていたので、結果的に大して面白みのない結論に落ち着いたということでしょうか。申し訳ございません……。
2017/05/29 23:05
>資金のないクリエイターが作品を作れる為にある仕組みだと思います。

lloydsamaさんのご指摘の通りです。
クラウドファンディング事業者が提供しているスキームに乗っかることで、個人クリエイターは、比較的安心してお金を集めて作品作りに取り組むことができるのだなと、ぼくも今考えています。

ただいまビジネススキームのことを考え中ですが、いかなるものにも功罪はあるわけで、チャレンジしてみる功のほうが大きいことを考えると、こうした仕組みが勃興してきたことには大きな意味があるのだと思えます。
2017/05/29 23:11
ウェブ決済システム(主にクレジット決済)には、目下のところ3.5%前後を抜かれるでしょうか。だから現状のクラウドファンディングは、ここが原価に近いところです。
だからクラウドファンディング運営会社は、18%を抜くところは、おおよそ14.5%の粗利益があると想定されます。

このクラウドファンディングのパッケージをもっとシンプルにすることで、5%くらいのマージンでクリエイターに資金集めの舞台を提供できないものでしょうか。手元に残る粗利益1.5%だと割には合わないかもしれませんが、宣伝活動とかはトークメーカーとかと連結してしまうことで省くことができ、システムだけ作って置いておけばいいので……。

うーん、もっとシンプルな仕組みができないものでしょうか。
2017/05/29 23:17
>至道先生
キャンプファイヤーが一時期5%だったみたいですね。

しかし、いま見てみたら8%+決済手数料になっていました。
2017/05/29 23:22
>一時期5%

なるほど、やはり最低ラインは5%ですね。ここがギリギリ。
ただネット決済の手数料が減れば、さらに減らすことができます。

クラウドファンディングのシステム面は、ぶっちゃけ極めて簡単なので、仕組みを作ろうと思えば作れるんですよね。システム面が簡単だから、どんどん新興系が入ってきますし、それらに打ち勝つための宣伝力の勝負になるということなのでしょうね。
そこを、トークメーカーに連結させちゃえば、別にクラウドファンディングサイト自体の宣伝っていらないかもしれませんね。宣伝面を削減できるなら、一つのビジネスプランとしてはアリっちゃアリですよ。

まぁそんなことを言い始めると、どこまでもアリになってしまいます。トークメーカー自体のシステム規模が日々膨らんでいる今、さらに規模がとてつもないことになっていくので、色々考えなくてはならないですけれども……。
2017/05/29 23:38
今、超テキトーに考えたのは、決済は全部「ビットコイン」にしてしまうと。そしてマージン3%、これでどうですかね。

このミソは、洗いざらいぶちまけてしまうと、「ビットコイン限定のクラウドファンディング」っていうのは、ほぼ確実にマスコミが乗ってくることです。プレスリリースで走れるので、話題性で認知度だけ獲得して、あとは野となれ山となれ……だめじゃん!
2017/05/29 23:39
素人質問で誠に恐縮ですが、ビジネスモデルを考えてみるうえで参考にしたいので教えてください。(※場合によっては「ちょっとお手軽なコンテンツファンド」的な感じで、クラウドファンディングシステムをトークメーカーに組み入れることも想定してみたいので)

そもそも、このクラウドファンディングで集めたカネって、どうやって管理されているんですかね?
会社なら株式として明確化しますし、管理も雑にはなりません。
でもクラウドファンディングの金って、上でもちょっと触れましたが、集めたものを着服しようと思えば軽く可能な感じじゃないですか?

この点、誤解なきようにしてほしいのですが、架神さんは真っ正直すぎるほど真っ正直にやっていて、集めた資金はぜんぶ発注費用に回しているはずなんですよ。でも世の中は、架神さんみたいに正直者ばかりでしょうか。否です。

300万集めて、運営会社に60万中抜きされ、残った240万のうち80万くらいを発注に回して、残りの160万円は自分や関係者の人件費とするというパターンなんでしょうか。まぁたしかに労働しているはずだから人件費160万円ってのはアリなのかもしれませんが、お金を援助するほうは想定していませんよね、たぶん。

あとはたとえば、あからさまに人件費としなくても、長期間の海外滞在をしたい人が「貿易ベンチャー」とか「ボランティア」という名目にして、自分の旅費を集めて旅立つとかもありそうです。

重ね重ね素人質問で申し訳ないのですが、自分が実際にクラウドファンディングを利用して実験することはありえないので、なかにいる経験者の方々に経験知をお聞きしたいです。どうぞよろしくお願いします。
2017/05/30 11:05
> 300万集めて、運営会社に60万中抜きされ、残った240万のうち80万くらいを発注に回して、残りの160万円は自分や関係者の人件費とするというパターンなんでしょうか。

これは、最初からそういう名目で集めれば何も問題ないかと思います。
漫画家がクラウドファンディングで描く場合などは、自分の労働料(原稿料)を入れてたりします。

「240万全額を発注に回します!」と公言した上で80万しかそれに使わない、というのは、人倫的によろしくはないですが、こっそりやれば可能は可能かと思います。(おれも今回、結果的には同じようなことになってしまった……)

> あとはたとえば、あからさまに人件費としなくても、長期間の海外滞在をしたい人が「貿易ベンチャー」とか「ボランティア」という名目にして、自分の旅費を集めて旅立つとかもありそうです。

これはリターンとか次第だと思います。
リターン品がたとえば「ボランティアの成果をPDFで報告」とかだったら、実際の内容がどうであれ、支援者の満足できるPDFが送られてくれば成り立つと思います。
まあ、要は説得力でしょうか。

なので、内容によっては、


こういう扱いをされたりすることもあります(おれは全然イイと思いますけど)。
 
 
というわけで、着服はやろうと思えば(うまくやれば)可能だとは思います。
良い子は真似しちゃダメだ!



2017/05/31 17:56
こんばんは!
以前にボードゲーム座談会でもお邪魔しましたアヤジロです。今回、架神先生と同じタイミングで自分たちもクラウドファンディングをした( https://camp-fire.jp/projects/view/21853 )ので、少し議論に乗っからせていただければと。


大手事業者のクラウドファンディングサービスを使用する場合、大きく分けて以下のような目的が考えられると考えています。

①資金調達
②予約販売プラットフォーム
③コンサルティング
④広告
2017/05/31 20:50
①の資金調達の側面だけで見ると、至道先生もご指摘の通り、集めたお金の20%近くを中抜きされるのはあまり好ましくない調達先かと思います。

ただ、クラウドファンディングを②の「予約販売プラットフォーム」であると考えると
A)全くモノができていなくても出品できて
B)充実した決済サービスがあり
C)消費者から一定の信頼を得られ
D)予約販売にニュース性を付加することができ
E)製造前に入金がなされる
といった点では、手数料が多少高くても魅力的な販売ルートと言えるかもしれません。


③についてクラウドファンディング事業者の方に直接お聞きしたのですが、
クラウドファンディングをどこでするかを選ぶ際には、「どの程度のコンサルティングを受けられるか」を一番の指標とする方がかなり多いとのことでした。

ウチは全く利用しなかったのですが、当該プロジェクトの成功に向けてだけでなく、プロダクト自体の販売戦略などについても、事業者側からみっちりアドバイスを受けることができるそうです。
そうしたコンサルティング業務の依頼料としては、手数料の20%は格安になる場合もあるかもしれません。


④の広告効果については、確かに外向けの宣伝効果はほぼゼロに近いかなと。クラウドファンディング事業者側で発信してくれることは、(プロジェクトの規模にもよるとは思いますが)ほぼないはずなので。
一方、クラウドファンディングサイトを回遊しているユーザーは、アクセス解析などをみた限りかなりの数がいまして、そうしたユーザーは支援の成約率もかなり高いので、そこにリーチできるのは結構な広告効果がある気がしました。

2017/05/31 20:52
自分たちで実際にクラウドファンディングをしてみて、②④の点でかなりの恩恵を受けたので、CAMPFIREの手数料5%はかなり安かったなぁと感じました。
今は、8%+決済手数料になってしまいましたが、まぁ10%くらいなら次も使うかな、という感じです。


資金の着服については、完全に性善説で回ってる感じですね・・・。
ウチは集めた資金は「制作費に回す」と公約しており、印刷費が総支援金額をそもそもオーバーしているので全て印刷費に回しましたが、どこのクラウドファンディング事業者も資金の使途についてはノーチェックです。
そこも含めて信じられるプロジェクトオーナーかどうかをパトロン側で見極めないといけない、
という風潮は海外だと既に根付いているようですが、日本は大きな問題がまだ起こっていないこともあり、消費者側の方が「ちょっと変わった予約販売サイト」という認識を強く持っている気がします。


ビットコインを使用しての決済システムについてCAMPFIREも取り組み始めてる(?)みたいなので、一応リンクを張っておきます。
https://mag.camp-fire.jp/news/news-20038/
まだリリースは多分されていないと思うのですが、個人的にも仮想通貨での気になっています。
2017/05/31 20:53
そんなところで次エピに移動します!
2017/05/31 18:14

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登場人物紹介

作家、ライター。

主な著書に『よいこの君主論』『仁義なきキリスト教史』『放課後ウィザード倶楽部』『戦闘破壊学園ダンゲロス』『こころオブ・ザ・デッド』など。

今回初めてボードゲームを作ってみた。

至道 流星 (しどう りゅうせい)

小説家、システム開発、会社経営などに携わる兼業クリエイター。
小説、ビジネス書、漫画原作など50冊ほどの著作がある。海外翻訳も多数。創作者というよりビジネス色が強いクリエイター。

◆主な著書
小説『大日本サムライガール(全9巻)』『羽月莉音の帝国(全10巻)』『破滅軍師の賭博戦記』
(※そのほか多数!)

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