また記憶がないっ!①
文字数 442文字
「アイお嬢様、お申し付け通り、彼の交友関係とその知人を調査しました」
「ありがとう橘 」
橘はうちの中でも特に優秀な使用人だ。彼が調査報告をする時は、決まって有用な情報を持ち帰ってきている。
「それで、何か分かったことは?」
「《柳キリオ》、彼の症状は記憶喪失とは違ったものです」
「やっぱり……それは、記憶が操作されたということ?」
「はい、おそらくは。ただ、記憶を操 った方法や手段は解 りませんでしたが、該当者は一人に絞られました」
「そう……」
ごめんねキリオ……こんな探偵みたいな真似 ごとして。貴方 の友人を疑いたくはなかったけれど、あまりに貴方の様子が急変してしまったから、じっとしていられなかったの。
それに……もう二度とあんな想いはしたくない。もう二度と。
「橘、今日だけは学校ではなく、彼の家の近くで降ろしてちょうだい」
「かしこまりました」
少しでも早くキリオに伝えないと。
ううん……そんなのは単なる建前だ。私はただ、キリオに逢 いたい。会って話しがしたい。これまでの時間を取り戻したい。
「ありがとう
橘はうちの中でも特に優秀な使用人だ。彼が調査報告をする時は、決まって有用な情報を持ち帰ってきている。
「それで、何か分かったことは?」
「《柳キリオ》、彼の症状は記憶喪失とは違ったものです」
「やっぱり……それは、記憶が操作されたということ?」
「はい、おそらくは。ただ、記憶を
「そう……」
ごめんねキリオ……こんな探偵みたいな
それに……もう二度とあんな想いはしたくない。もう二度と。
「橘、今日だけは学校ではなく、彼の家の近くで降ろしてちょうだい」
「かしこまりました」
少しでも早くキリオに伝えないと。
ううん……そんなのは単なる建前だ。私はただ、キリオに