Epilogue Asuka #3 公園デート
文字数 1,137文字
──2週間後
「あすか、ちょっと外に出てみない? あ、大丈夫、俺が抱っこでもおんぶでもしていくからさ。ほら、ちょっと歩いた所に公園があるじゃん。そこまで、ね」
「…………」
「よし、決~まり! じゃ、行こっか」
「…………」
──公園
「──ふぅ、夕方でも暑いね。どう? 久しぶりの外は。それなりに気分良くない?」
「…………」
「ま、まぁ……建物に囲まれた公園だから景色も良くないし、クソ暑いし、蚊も多いし、セミが五月蝿いし……クーラーの効いた家にいた方が快適かもしれないけどね」
「…………」
「取りあえず、ちょっとず~つ外にも慣れていかないとね。一応これでも俺、精神壊したことあって、太陽浴びるのは有効っていうのは身を持って体験したから、さ。……あすかも、ね」
「…………」
「これから毎日、30分だけでも外出て日を浴びよっか」
「…………」
「それで、さ。もうちょっと元気になたら……デートしようよ、昔みたいに。水族館とか動物園とか……遊園地とか、アスレチックとか。あすか、意外に子供っぽい所、好きだったからな~」
「…………」
「あ、当然ディズニーでもいいよ~? 何なら、海外の本場のディズニーでも行っとく? きっと日本のよりスケール大きくて迫力あるんじゃね?」
「…………」
「そういえば車も好きだったよね。いいよ、あすか用に車も買おっか。あすかの運転でどこか旅行いくっての、ちょっとした夢だったんだよな~」
「…………」
「今はちょっとず~つ回復していけばいいからさ。絶対元に戻るから。ま、最悪回復しないでも俺は全然構わないけどね。あすかさえいれば……俺は幸せだから」
「…………」
「あ、迷惑かけてるなんて思わないでよ? こうやって看病するのって案外楽しいし。……ずっと一緒にいられるしね。別に何年でも何十年でもこのままでも……俺は一向に構わないから」
「…………」
「って、ごめん。何年もこのままなんてあすかがイヤだよね。あ、勘違いしないでよ? 当然あすかが元気になってくれる方が嬉しいから。今のままがいいって訳じゃないからね」
「…………」
「……ホ~ント、俺、昔から話が下手だよね。俺の気持ちの半分でも伝わればいいんだけど……」
「…………」
「あ、ごめん……気が付いたら1時間くらい公園にいるね。疲れたでしょ? そろそろ家に帰ろっか」
「…………」
「今日はカレー作ってあげるから。俺が知ってる世界一のカレーのレシピそのままだから、きっとあすかも気に入ると思うよ」
「…………」
あれから2週間、全く反応のない九重に話しかけるのが日課になっていた。ひたすら明るく、普段通りに、前向きに。また九重の笑顔が見たい、声を聴きたい、俺の事を名前で呼んでもらいたい……元に戻って欲しい──ひたすら信じていた……願っていた。
「あすか、ちょっと外に出てみない? あ、大丈夫、俺が抱っこでもおんぶでもしていくからさ。ほら、ちょっと歩いた所に公園があるじゃん。そこまで、ね」
「…………」
「よし、決~まり! じゃ、行こっか」
「…………」
──公園
「──ふぅ、夕方でも暑いね。どう? 久しぶりの外は。それなりに気分良くない?」
「…………」
「ま、まぁ……建物に囲まれた公園だから景色も良くないし、クソ暑いし、蚊も多いし、セミが五月蝿いし……クーラーの効いた家にいた方が快適かもしれないけどね」
「…………」
「取りあえず、ちょっとず~つ外にも慣れていかないとね。一応これでも俺、精神壊したことあって、太陽浴びるのは有効っていうのは身を持って体験したから、さ。……あすかも、ね」
「…………」
「これから毎日、30分だけでも外出て日を浴びよっか」
「…………」
「それで、さ。もうちょっと元気になたら……デートしようよ、昔みたいに。水族館とか動物園とか……遊園地とか、アスレチックとか。あすか、意外に子供っぽい所、好きだったからな~」
「…………」
「あ、当然ディズニーでもいいよ~? 何なら、海外の本場のディズニーでも行っとく? きっと日本のよりスケール大きくて迫力あるんじゃね?」
「…………」
「そういえば車も好きだったよね。いいよ、あすか用に車も買おっか。あすかの運転でどこか旅行いくっての、ちょっとした夢だったんだよな~」
「…………」
「今はちょっとず~つ回復していけばいいからさ。絶対元に戻るから。ま、最悪回復しないでも俺は全然構わないけどね。あすかさえいれば……俺は幸せだから」
「…………」
「あ、迷惑かけてるなんて思わないでよ? こうやって看病するのって案外楽しいし。……ずっと一緒にいられるしね。別に何年でも何十年でもこのままでも……俺は一向に構わないから」
「…………」
「って、ごめん。何年もこのままなんてあすかがイヤだよね。あ、勘違いしないでよ? 当然あすかが元気になってくれる方が嬉しいから。今のままがいいって訳じゃないからね」
「…………」
「……ホ~ント、俺、昔から話が下手だよね。俺の気持ちの半分でも伝わればいいんだけど……」
「…………」
「あ、ごめん……気が付いたら1時間くらい公園にいるね。疲れたでしょ? そろそろ家に帰ろっか」
「…………」
「今日はカレー作ってあげるから。俺が知ってる世界一のカレーのレシピそのままだから、きっとあすかも気に入ると思うよ」
「…………」
あれから2週間、全く反応のない九重に話しかけるのが日課になっていた。ひたすら明るく、普段通りに、前向きに。また九重の笑顔が見たい、声を聴きたい、俺の事を名前で呼んでもらいたい……元に戻って欲しい──ひたすら信じていた……願っていた。