第29話
文字数 2,368文字
「怒るのも、怒らないのも、自分で決めて良い。全てに向き合わなくていいよ」
なるほど
自分の問題でもないのだから、向き合うこともない
そして、向き合わなければ、怒りの感情もわかないわけで・・・
怒ってる人のほうが、嫌な奴に見えるから損するしね
田中さんみたいな人が、怒りん坊的なものに勘違いされるのは可愛そう
だから、あたしみたいにスルー派になればいいのだ!
でも、田中さんは・・・・
「言ってやるーーーー!!チィ、店長と大学生たちに言ってやるんだ!!あいつらー!」
全く聞いてない・・・・
田中さんは、スルー派にはなれない性格なのね・・・
えらい!!
田中さんが我慢することになるから、そんなに言いたければ言えばいいね
「チィちゃん、みんなに嫌われちゃうよ」と心配する草太さん。
「いいんです。こういうチィを見て嫌う人となんか、仲良くならなくていいので!」
そう!そう!そう!
それ、わかるー!
あたしも、その意見、賛成ー!!
「頑張った方が、仕事は面白いよねぇ」と、お父さんが田中さんに話しかけた。
「はい!チィは、この怒りもパワーに変えて、がむしゃらにバイトを頑張ります。クビになるまで!」
「『がむしゃら』って、ひさびさ聞いたな」
「今って、『がむしゃら』に頑張るってこと、しないですよね。チィ、産まれてくる時代、間違えたかも。昭和に産まれればよかった・・・」
「それね・・・、そんなことないらしいのよ。昭和でも、頑張らない奴は頑張らなかったって、おれの上司が言ってた。だから、いつの世も、やる奴はやるし、やらない奴はやらないってことみたいよ。あと、今は、頑張り方がわかんないって奴がいて、おれ、そういう子から相談受けるよ。おれ、家では全然なんだけど・・・、会社では頑張ってる方みたいでさ。田中さんみたいに『がむしゃら』にできるのを、羨ましく思ってる人、いるんじゃないかね?」
「そうかなぁ・・・」
「あと、・・・サボることを頑張る人もいるんだよね。ちゃんとやってもサボっても、同じ給料だから、サボることが得で、ちゃんと仕事するのが損だって思っちゃう奴もいる」
「そんなクソ野郎がいるんですか?」
「クソ野郎って・・・。まぁ、クソ野郎だな。いるよ、結構。本人は、クソ野郎なんて思ってないけどね。効率よく稼いでるって思ってんだろうな。本当、クソだな」
「うち、そんなクソ野郎ばっかかも・・・」
サボることを頑張る・・・
頑張らないように頑張る?
みんな、何かしら頑張りたいってこと?
変なのー
「かなちゃんパパ、用事があって来てたんですよね。チィの話に付き合ってもらって、すみませんでした」と田中さんが言った。
お父さんの用事って??
おじいちゃんにかな?
「ああ、・・・うん。えーっと・・・」と、お父さんがあたしを見た。
あたし?
また、口止めか?
お父さんは、あたしの方に来るも椎名に向かって「友達になってください!」と言った。
そして、お父さんは椎名に頭を下げた。
これと似たようなの、つい最近見たな・・・
「こんなバカと友達になんかなりたくないかもしれないが、でも、友達になってほしい。なってください」とお父さんは続けた。
おじいちゃんといい、お父さんといい、椎名と友達になりたがる
あの二人、似てるんだな
「おれみたいなバカな奴に、いろいろ言ってくれて本当にありがとう。あと、勝手に君の先輩になって申し訳ございませんでした。年上だからって、先輩ヅラして。自分だって、そんなことされたら嫌なのに」
椎名は無言のまま、話を聞いていた。
「・・・おれみたいな奴と友達になんかなりたくないかもしれないけど・・・・・。友達になってもらうまで、何回でもお願いする」とお父さんが宣言。
すると田中さんが、「椎名君、なにか言ってあげなさいよ!かなちゃんパパ、相当、すごいことしてんのよ。大人がね、子供に向かって頭下げるなんて、なかなか出来ないことなのよ!」と言った。
田中さんは、居酒屋のお客さん達を見ているので、おじさんというものをよく知っているようだ。
「おじさんって、頭下げられない生き物なのよ。よく喧嘩してるもん。頭下げられないの、みんな。大人同士でそうなのに子供に頭下げるなんて、あなた!」と椎名に向かって声を荒げる田中さん。
そんな田中さんを止めるべく、お父さんは「田中さん、ありがとう。おれ、何回でもお願いしにくるから、大丈夫」と言い、帰ろうとした。
その時、椎名が「もうすでに友達なんだけど・・・」と言った。
え!?
また、おじいちゃんの時と同じように、おばあちゃんに頼まれてたのか?
「すまん。・・・おれが頼んじゃって・・・」と、かぼそい声でおじいちゃんが言った。
「おやじーーー!こういうことは自分で言わなきゃだめだろ。親がしゃしゃりでてくるなんて」
「親バカで申し訳ない!」
「おれは、ダメ出ししてくれる人と友達になるって決めてるんですよ。親に、そういう人と友達になれって教わったんで!」
「『ダメ出し』ってなんだ?」
椎名がおじいちゃんに、『ダメ出し』の説明をしてあげた。
「面白い言葉があるんだな。そうだぞ、『ダメ出し』してくれる人は貴重だから、友達にならないとな」とおじいちゃんがお父さんに言った。
「わかってるって。オヤジに言われたことで、これだけは守ってます。本当にそう思うから。じゃあ、椎名くんとは友達になれたんだ。ありがとう、椎名くん」とお父さん。
お父さんとおじいちゃんって、親子なんだな
今まで、普通に話してるとこなんて見たことなかったからなー
これで、お父さんの長い反抗期も終わりかしらね
「あと、・・・・・・おやじとも友達になりたいんだ、おれ」とお父さんが言った。
おじいちゃんと、お父さんが友達に ?
やっと、親子っぽくなったのに?!
なるほど
自分の問題でもないのだから、向き合うこともない
そして、向き合わなければ、怒りの感情もわかないわけで・・・
怒ってる人のほうが、嫌な奴に見えるから損するしね
田中さんみたいな人が、怒りん坊的なものに勘違いされるのは可愛そう
だから、あたしみたいにスルー派になればいいのだ!
でも、田中さんは・・・・
「言ってやるーーーー!!チィ、店長と大学生たちに言ってやるんだ!!あいつらー!」
全く聞いてない・・・・
田中さんは、スルー派にはなれない性格なのね・・・
えらい!!
田中さんが我慢することになるから、そんなに言いたければ言えばいいね
「チィちゃん、みんなに嫌われちゃうよ」と心配する草太さん。
「いいんです。こういうチィを見て嫌う人となんか、仲良くならなくていいので!」
そう!そう!そう!
それ、わかるー!
あたしも、その意見、賛成ー!!
「頑張った方が、仕事は面白いよねぇ」と、お父さんが田中さんに話しかけた。
「はい!チィは、この怒りもパワーに変えて、がむしゃらにバイトを頑張ります。クビになるまで!」
「『がむしゃら』って、ひさびさ聞いたな」
「今って、『がむしゃら』に頑張るってこと、しないですよね。チィ、産まれてくる時代、間違えたかも。昭和に産まれればよかった・・・」
「それね・・・、そんなことないらしいのよ。昭和でも、頑張らない奴は頑張らなかったって、おれの上司が言ってた。だから、いつの世も、やる奴はやるし、やらない奴はやらないってことみたいよ。あと、今は、頑張り方がわかんないって奴がいて、おれ、そういう子から相談受けるよ。おれ、家では全然なんだけど・・・、会社では頑張ってる方みたいでさ。田中さんみたいに『がむしゃら』にできるのを、羨ましく思ってる人、いるんじゃないかね?」
「そうかなぁ・・・」
「あと、・・・サボることを頑張る人もいるんだよね。ちゃんとやってもサボっても、同じ給料だから、サボることが得で、ちゃんと仕事するのが損だって思っちゃう奴もいる」
「そんなクソ野郎がいるんですか?」
「クソ野郎って・・・。まぁ、クソ野郎だな。いるよ、結構。本人は、クソ野郎なんて思ってないけどね。効率よく稼いでるって思ってんだろうな。本当、クソだな」
「うち、そんなクソ野郎ばっかかも・・・」
サボることを頑張る・・・
頑張らないように頑張る?
みんな、何かしら頑張りたいってこと?
変なのー
「かなちゃんパパ、用事があって来てたんですよね。チィの話に付き合ってもらって、すみませんでした」と田中さんが言った。
お父さんの用事って??
おじいちゃんにかな?
「ああ、・・・うん。えーっと・・・」と、お父さんがあたしを見た。
あたし?
また、口止めか?
お父さんは、あたしの方に来るも椎名に向かって「友達になってください!」と言った。
そして、お父さんは椎名に頭を下げた。
これと似たようなの、つい最近見たな・・・
「こんなバカと友達になんかなりたくないかもしれないが、でも、友達になってほしい。なってください」とお父さんは続けた。
おじいちゃんといい、お父さんといい、椎名と友達になりたがる
あの二人、似てるんだな
「おれみたいなバカな奴に、いろいろ言ってくれて本当にありがとう。あと、勝手に君の先輩になって申し訳ございませんでした。年上だからって、先輩ヅラして。自分だって、そんなことされたら嫌なのに」
椎名は無言のまま、話を聞いていた。
「・・・おれみたいな奴と友達になんかなりたくないかもしれないけど・・・・・。友達になってもらうまで、何回でもお願いする」とお父さんが宣言。
すると田中さんが、「椎名君、なにか言ってあげなさいよ!かなちゃんパパ、相当、すごいことしてんのよ。大人がね、子供に向かって頭下げるなんて、なかなか出来ないことなのよ!」と言った。
田中さんは、居酒屋のお客さん達を見ているので、おじさんというものをよく知っているようだ。
「おじさんって、頭下げられない生き物なのよ。よく喧嘩してるもん。頭下げられないの、みんな。大人同士でそうなのに子供に頭下げるなんて、あなた!」と椎名に向かって声を荒げる田中さん。
そんな田中さんを止めるべく、お父さんは「田中さん、ありがとう。おれ、何回でもお願いしにくるから、大丈夫」と言い、帰ろうとした。
その時、椎名が「もうすでに友達なんだけど・・・」と言った。
え!?
また、おじいちゃんの時と同じように、おばあちゃんに頼まれてたのか?
「すまん。・・・おれが頼んじゃって・・・」と、かぼそい声でおじいちゃんが言った。
「おやじーーー!こういうことは自分で言わなきゃだめだろ。親がしゃしゃりでてくるなんて」
「親バカで申し訳ない!」
「おれは、ダメ出ししてくれる人と友達になるって決めてるんですよ。親に、そういう人と友達になれって教わったんで!」
「『ダメ出し』ってなんだ?」
椎名がおじいちゃんに、『ダメ出し』の説明をしてあげた。
「面白い言葉があるんだな。そうだぞ、『ダメ出し』してくれる人は貴重だから、友達にならないとな」とおじいちゃんがお父さんに言った。
「わかってるって。オヤジに言われたことで、これだけは守ってます。本当にそう思うから。じゃあ、椎名くんとは友達になれたんだ。ありがとう、椎名くん」とお父さん。
お父さんとおじいちゃんって、親子なんだな
今まで、普通に話してるとこなんて見たことなかったからなー
これで、お父さんの長い反抗期も終わりかしらね
「あと、・・・・・・おやじとも友達になりたいんだ、おれ」とお父さんが言った。
おじいちゃんと、お父さんが友達に ?
やっと、親子っぽくなったのに?!
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