第15話

文字数 1,953文字

 当たり障りのない、世間話というもの
 上手な人が羨ましい・・・

 あれって、どうやったら上手になるのかしら??
 それとも、才能?

 同じ年の男子と話せる話題など、あたしにはない・・・






 無言のまま、椎名と夜道を歩いている。

 気まずいので、早足で歩くあたし。
 椎名も負けずに早足になっているので、まるで競歩の競争をしているようだ。


 早足で歩きながらも椎名が、「お前、受験勉強した方がいいぞ。高校、藤田と同じとこ行くんだったら、もっと勉強しないと無理だから」と言いってきた。


 そんなことは、知っています
 でも、勉強、苦手なんで・・・・・



 「ちゃんと勉強しようとするな。問題集の答えから見て、なんでこの答えになるのかを考えたほうがいい。」と言われた。



 目からウロコ!!なんか、面白そう!
 椎名よ
 あたしのことも、おばあちゃんに頼まれていたのか!!!

 だから、おばあちゃんは、いつもあたしに「かなちゃんは大丈夫」と言っていたのか!?

 かたじけない!!





「デイトレはお前に向いてない。インデックス投資か国債か、長期で利益が出るのを狙った方が良いんじゃないか」と言ってきた。



 なぜ、デイトレのことを?
 おばあちゃんからの情報だな
 やっぱり言わなきゃよかったーーーーー


 小学校の頃、おばあちゃんに将来の夢を聞かれ、株で生計を立てること・・・、とつい言ってしまった

 すると、おばあちゃんが「じゃあ、お母さんに聞いたらいいじゃない。なんとかプランナーの資格あるんだから」と言ってきたので、「お母さんに言ったら絶交だから!」と口止めをしていた

 なのに・・・・・・

 椎名に言ってるんだったら、お母さんにも言ってるに違いない
 最悪だーーーー!!!




「さくらさんから聞いたわけじゃない。おまえ、学校で株の本読んでるだろ。やみくもに、色んな方法のを。おそらく、シュミレーションで株の売買をやって、上手くいかないから、やみくもに読んでるんだろう」と椎名。





 うーーー!よかったーーーー!!!!!
 おばあちゃん、疑ってごめんよ

 だが、椎名よ
 インデックスでは、利益が出るのが遅い
 長期だとしても、成長株を買った方が魅力的なのですよーーーー

 確かに、売買シュミレーションは上手くいってないが、大人になる頃には儲けが出せるようになっているはず!



「ポイ活はしてるのか?」と椎名が聞いてきた。




 ポイ活??
 コンビニのはやってるけど、ポイントなんて微々たるもの
 生活なんて、できないのだよ




 椎名はあたしの意見を何も聞かず、「買い物で貯まるポイント以外にも、ポイントサイトを経由しろ」とか、「利用するサイトを絞り込んでやった方が良い」だとか、「運用もできるポイントがある」などなど、あたしに話していた。




 知っておりますとも、そんなことは!
 でも、ネット通販はお母さんがやってるから、ポイントはお母さんのものなのだよ
 それに、ポイントサイト経由なんて、さらに微々たるものなのだよ





「ネット通販のキャンペーンとポイントサイトキャンペーンが同じ日になるのを狙って、ダブルで取れれば、月四万くらいの買い物でも、年間で十万くらいポイントがつく。そして、その半分をポイント運用するんだ。おれは小遣いをもらわないで、家の買い物でつくポイント分を小遣いとしてもらっている」とさらに椎名が畳み込んでくる。




 ぇえぇええーーー
 なんか、こわいよー
 中学生でこんな本気にポイ活してる人、いる???





 椎名は家の買い物を一手に引き受け、ネット通販で購入(かごに入れるまでやって確定は親がやっているらしい)。
 お父さんにポイントがつくから、運用についてもお父さんに指示を出しやってもらってるらしい。

 未成年でも株はやれるが、そっちばかりやるようになってしまいそうなので、今はやらないようにしているとのこと。





 しっかりしてらっしゃる・・・
 でも、あたしだって、ちゃんと考えているのだ

 二十五万の株が二倍になって、五十万
 その後、倍づつ増えて、百万、二百万、四百万、八百万、千六百万、三千二百万、六千四百万、1億二千八百万

 9回、倍になる成長株を買えれば、約一億二千万になる
 そんな買い方をしたいと思っております!

 あたしが大人になる頃、一億の価値がどれくらいなのかわからんが・・・
 20歳まで家にいるとして、その後は極貧生活して年に二百万

 五十年で一億円、70歳になったら年金もらって、老後問題の二千万があれば、長生きしてしまったときでも大丈夫!
 あたしは、物凄く考えているのだ

 最初の資金をどこから調達するか・・・
 それだけが、問題だ・・・






「おい、お前の家ここだろ」と椎名。

 いろんなこと考えてたら、家を通り過ぎていた。

 椎名は「付与ポイントには上限があるから気をつけろ」と言って去って行った。
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