死とは

文字数 2,021文字

死?私達には無縁のものよね。
人間は死って言っても色々あるのさ。

大きく分けると、病死、事故死、自殺。この3つかな?

細かく分けるともっとあるかもね。

圧死、窒息死、焼死、失血死、感電死・・・狂い死にや笑い死になんてのもあるぜ。
最後2つは違いマセンか?
人間って本当に、脆いものよね・・・

丈夫でもあるけど。

ただ転んだだけで死ぬ人もいる。

塔の頂上から落ちても死なない人もいる。 

やれやれ。つくづく変な生き物だ。

いっそ蜥蜴か蜉蝣かそれか蜻蛉にでも

なればいいのにな。

君、その漢字全部読めるんだろうね?
・・・・・・
読めない漢字は使わないでくだサイ。
まあ所詮書記に限らず人間は死ぬんだ。死ぬか死ぬか死ぬ以外に未来はないよ。
死ぬ以外の選択肢がないわ。
そりゃあそうさ。

人間はみんないつか死ぬんだから。

這い這いして、大敗して、売買して、

一杯して、狼狽して、バイバイして、

灰になるんだよ。

は?お前人間かよ。
眺めてたら分かるよ。
へぇ。そういうもんかよ。
人間・・・否、生物というものは、

生きるために死ぬのか、

死ぬために生きるのか、というのも、

よく言われるものだな。

それいつも気になってたんだけど、

生きるために死ぬってどういうこと?

俺はなんとなく分かるぜ。
本当?

なら説明してもらえるかしら。

ぎぐ。
え、えっと、それはだな・・・

あれだよ、あれ!・・・な!あれだって!

説明できないのかい?
いや、俺はできるぞ。えっとだなあ。

生物ってもんは死ぬだろ?

死ななきゃ生物じゃないわけだ。
だからよ、だから・・・

生物であるために死ぬんじゃねーか、

って言いたかったんだ。多分。

ふーん・・・

一理あると言えば一理あるわね。

でも、私は死ぬために生きる派よ。

死ぬため・・・死ぬまでちゃんと生きるのよ。

終点が決まってるんだから、

いっぱい楽しんで生きなきゃ損じゃない。

げんぶも死ぬために生きる派デス。

生物の終着点を目指して、

必死に生きる・・・

まさにドラマではありマセンか。

そうなんだ。

僕は生きるために死ぬんだと思ってたよ。

へえ。意外だな。

っつーか残念だぜ。

まさか、君も?
その通りだ。
しまったな・・・読み違えたみたいだ。

まったく、君と同じ意見だなんて

虫唾が走るよ。

だってさ、なんか嫌だろ?

生きて生きて生き抜いた先に、

結局死しかねーんだぜ?

なら、死ぬのにもなんか意味とか、

理由とかねぇと、割に合わねぇじゃん。

ま、どうせ吐いて捨てても 

代わりはある命なんだけどな。

・・・酷いことを言うのね。
どうせ意味の無い命なのに、

その終わりに意味を付けよう、

っていうのかい?

洗剤は使えばなくなるだろ?

パンは食えばなくなるだろ?

一緒じゃねーか。

使い切ればなくなっちまう。

消耗品と一緒だぜ。

熱弁したところで悪いのだが、

その話はまた今度じゃ。

機会はまたあるのでな。
へぇ・・・

まあ楽しませて貰おうじゃねぇか。


今の数秒で分かったわ。

白虎。

貴方とは分かり合えないわ・・・

きっと、私達が生きている間は。

俺もだよ。

てめぇとは分かり合えねぇ。

そんな気がするぜ。

うわー火花が見えるよ。

価値観の相違ってコワーイ。

良いではないか。

論争は浄土の良い娯楽じゃ。

想いのぶつかり合いは素晴らしいぞ。

おっとぉ?

こっちはこっちでとんでもねぇな。

不謹慎なジジイだぜ。

議論テーマが「死」なのによ。

不謹慎結構。
死ぬために生きても、

生きるために死んでも、

死という結果は変わることはない。

正反対のものでありながら、

全く同一と言っても差支えのないものだ。

生きている限り、

誰にでもついてまわる、なんて、

なんだか呪いみたいね。

呪い、ねぇ・・・

しゃーねぇよ。

解けねぇんだからな。

その通りだ。
決して打ち勝つことなどできはせん。

それが死なのだ。

と、まあ・・・

今回はこんなところかな?

そうじゃな。では、

「死」は、生きること。

「生」は、死ぬこと。

これが今回の結論ということで良いな?

賛成で良い者は、挙手。
なーんかまとまったような

まとまってねぇような結論だな。

はいよ、賛成。
賛成、よ。
構わないよ。
問題ナシ、デスよ。
満場一致で、賛成。

本日の会議はこれにて終了とする。

解散!
以下、雑談。
あー疲れた疲れた!
君はいつも本気で会議してるからだよ。タイトルは「会合」なんだから、

たまには気を抜いたらどうだい?

ハッ、誰がンなこと。
でも、今日は珍しいわね。

白虎と青龍がおんなじ意見だなんて。

全くだぜ・・・

ま、普段突っかかって来やがるのが

なくなってせいせいしたぜ。

読み違えちゃってね・・・

今度はないよ。

ったりめーだ。

誰がお前と同じ思考回路だ。

それは失礼なことを言ってくれるね。
貴方達はいつも仲がいいわね。
あ"?
何か言ったかい、朱雀?
いいえ。何も。
あとがき
初めまして、書記のりんねと申します。
四神たちの会合、ぐだぐだ始めさせていただきます。

今回「死」というテーマでした。
死。怖いです。恐ろしいです。
でも、死んだことないのにこんなことを語ってしまっている私が1番死をナメてる。
そんな気がします。

それでは、次の会合を。
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登場人物紹介

白虎
荒々しい性格の、若い男性と思われるモノ。
一人称は「俺」。
人間に対して批判的であるが、変なところでフォローもする。性癖は(自称)ノーマル。

青龍
穏やかに見えて外道畜生の、若い男性のようなモノ。
一人称は「僕」。
正直なところ人間のことはどうでもよく、誰かの意見に反対できさえすればいい。つまりは煽り屋。

朱雀
四神の紅一点・・・?な恐らく20代後半~30代前半の女性のようなモノ。
一人称は「私」。
人間に対して好意的。綺麗事と少年漫画思考が大好き。

玄武
年齢不詳。性別不詳。議長を務める。
2通りの性格を持つが、多重人格などとは関係がない。
一人称は「儂」あるいは「げんぶ」。 白虎の暴走、青龍の煽り、朱雀の幻想を止め、いかにして会議の結論を出すかをいつも考えるようにしている。

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