ゴッドファーザー・魂を吹き込む儀式
文字数 5,257文字
まず名前の付け方には大雑把に2通りの方法があります。
1.そのキャラに合った、現実にはない名前
2.現実にあるごく普通の名前
あー、大悟郎シリーズ、というかダンゲロス関連はね。
はい。はじめに結論を言いますと、先程挙げたどちらが良いかの答えはない。
それぞれの作品次第となります。
そうですね。
あえて言うならば、その作品の雰囲気にあった方を選ぶといったところでしょうか。
なるほど、ではどういった感じで選べば良いのでしょうか?
まずは1番について、メリットとデメリットを挙げると次のようになります。
【メリット】
名前が覚えられやすい
名前からキャラの特徴が伝わりやすい
考えやすい
【デメリット】
命名にセンスが問われる
写実的な話には向かない
1番はキャラ立てしやすいのが最大のメリット。しかも読み手に覚えてもらいやすい。
注意点としては、あんまり凝りすぎると浮いてしまうこと。
センスとはいいましたが、ある程度自覚を持って当たればなんとかなります。
センスがない=熱くなって回りが見えてない状態と思ってください。
キャラ作りの話の時も似たような話がありましたっけ。
ありましたっけどうだっけ。
まぁ気を付けなければならないのは、書き手と読み手の間の温度差を出さないことですね。
あ、そこに繋がるか。せやね。
具体的に例を挙げると、例えば文字の画数。
考えてるときは、画数多い感じの方がカッコいい気がして多用してしまう人も多いはず。
でもいざ読み手の立場から見てみると、ゴテゴテして見にくいことこの上なかったりします。
二輪で夜間に爆走する方々のチーム名とかによくあるアレですね。
そのへんも作品の雰囲気、世界観に左右されるから一概には言えませんがね。
男塾とかそれで成功してますし。
ただ、男塾についてはそれに見合った濃厚な世界観あっての馴染みようですのでご注意ください。
完全無欠の雄の世界ですからね。普通の作風に独眼鉄とか馴染みませんものね。
何故そこで独眼鉄先輩の名前がするりと出てくるのか・・・
無眼鉄になっちまった独眼鉄先輩の眼が続編?で何事もなく復活するのが好きです。
そもそも背骨折られて死んでますからね独眼鉄先輩。
ともあれ、個人的には通常の名前に使われるような漢字を主体に使いつつ、キャラの個性を表す名前の付け方がベストと思われます。
そのへんについては、大悟郎シリーズの登場人物を並べて説明させていただきましょう。
お、ついにきましたね。
じゃあまず私、私の名前がどう決まったのか教えてください。
ええよ。
豊秩・満子(トヨチツ・ミツコ)。
まず「秩」以外はごく普通のありふれた漢字で構成されていますね。
はい!
意味合いは、漢字からして「豊かな秩序に満たされた」聡明な少女といったところでしょうか。
「豊」と「満」はすぐに決まりました。
迷ったのは「乳」の部分ですね。
色々考えた結果、「秩父」の「ちち」を採用させていただきました。
秩父の人に謝れ!ていうか・・・それだけ?
私の名前・・・
え、次いっちゃうんですか?
もっとこう、せめてその名前に至るまでの過程とか・・・
過程・・・
「特徴ないなー巨乳にしようか」
そして十五分ぐらいのちに完成。
終わってませんよ!?
・・・ていうか、この人何です、シルエットクイズ?
や、そういうわけじゃないんだけど。
名前は安倍・秀夫(アベ・ヒデオ)。
小学生の頃のあだ名は「少年あべし」。
中学に入って少年じゃなくなってからは「ひでぶー」と呼ばれてました。
本編に出たまんまの姿じゃないですか、何をいまさら。
第一、この見事にそそり立ったリーゼントを見れば一目瞭然でしょう。
そのシルエット、モヒカン写ってませんから!
見た目ただの一般市民ですよ!
「あべし」と「ひでぶ」ときたら、某世紀末漫画のメインレギュラー・モヒカンしかないでしょう。
うむ、まさにそれが狙いです。
ただの安倍・秀夫では印象に残りにくい。
ですが、モヒカンとあだ名をセットで紹介することにより、もう名前を忘れられない。
そうでしょう?
たしかに・・・っていうか、名前あったんですね、モヒカン・キング。
この企画を思いついてから、五分くらいで付きました。
私の名前より短いですね。といいますか海老さん、一体どんな頭してるんですか?
(クレイジー・・・)
安倍さんも何か言わなくても良いんですか? 扱いムチャクチャですよ。
や、時間も押してるんで。それに、元から一分程度で作られたようなキャラですんで自分。
・・・本人が良いなら(もうどうでも)良いんですけど、何か人格違いません?
もっとこう、ひゃっはーしてたといいますか・・・
能力に目覚めたばかりのモヒカン・キング15歳だからね。
紆余曲折を経てカリスマとなりますが、それはまた別のお話です。
(考えてないけど)
なるほど、人に歴史あり、ですね。
(なんにも考えてないんだろうなぁ)
彼の名前は大森・孝(オオモリ・コウ)。
コウモリを溺愛するあまりコウモリ人間に変身する能力を得た、巨乳大好き変態さんです。
キモかったからね仕方ないよね。
名前は並び替えてそのまんま「大孝森(オオコウモリ)」。
以上。
あ、海老さんにしては珍しく理性的なキャラ、探偵さんですね。
魔人探偵、螺理多・極(ラリタ・キメル)
彼については大悟郎本編の方で説明されてますね。
「螺」旋のごとく捻れ絡み合う「多」くの世の「理」を見「極」めることを信念とすることから名付けられました。
能力によりラリってキメてることからそう名付けました。
ちなみに五分掛かってません。
過ぎ去った過去は変えようがない。
また、人は自分の生まれた理由を変える術は持たないもの。
それが世の理です。
はぁ、まぁ、あなたが良いなら(もう面倒くさいから)どうでも良いんですけど。
(そこまで言ってなかったような)
大分お疲れのようですね。
でも、もう終わりも近いはず。頑張って。
それが君にとって、最も厄介な者かもしれないけどね。
厳しい状況も、時が過ぎれば必ず終わりがくる。
それが世の理です。
あ、はい、頑張ります。ありがとうございました、探偵さん!
さて先に言われてしまいましたが、いよいよ最後、魔滅・大悟郎(マボロシ・ダイゴロウ)です。
私は海老さんのアシスタントをしている、すなわち海老です。吸血鬼ではありません。
(確かに、エビのアシスタントをするのはエビしかいない)
なるほど、ここに吸血鬼はいないようだな。
(まぁゲスト枠だからね。本編だったら当然、問答無用で吸血鬼認定されて燃やされてます)
あ、いえ。もう用は済みましたので、帰っていただいても結構です。
(長く接してると燃やされそうだしね)
ええ、はい、お疲れ様でした、大悟郎さん。
(ならばそもそも呼ばなくても良かったのでは?)
では解説いきましょか。
彼の名前は見てのとおり、他の人たちとは異なる流れで決まっております。
彼の場合はまず能力から。
十字架を使って戦うキャラを造ろうというところから始まりました。
ほう、なるほど。
今までのオモシロ怪人軍団に比べて、随分マトモな流れですね。
(それだと君もオモシロ怪人軍団の一員だけど)
で、十字架で戦う、魔物と戦う?、魔物を滅ぼす・・・魔滅だ!とね。
で、十字架で戦うなら、やっぱり相手は吸血鬼じゃない?ってわけで。
吸血鬼ハンターときたら、当然イニシャルはD しかないよね、と初めに思い付いたイニシャル「D」 が「大悟郎」だったと、こういうわけです。
・・・オレの名はヴァンパイア・ハンター「D 」。ただそれだけだ。
さて、まぁこんなところですかね。
参考になったなら幸いです。
根をつめすぎるとごちゃごちゃしたのになりやすいですからね。
このぐらい適当でも良いんだと分かっていただければ結構です。
でも、五分や一分はさすがにいかがなものかと思いますが。
できちゃったものは仕方ない。
さて、2番の説明いきましょうか。
2番?
ああ、そういえば1番の説明の途中だったんですよね、まだ。
2番は語ることも少ないのですぐ済みます。
まずはメリット・デメリットから。
【メリット】
常識的な名前なので状況を受け入れやすく、話に入り込みやすい
【デメリット】
キャラの名前を覚えてもらえるまで時間が掛かる
たしかに。
先程のオモシロ怪人軍団なんか、どうでも良いのに忘れられなくなりそうなぐらいですものね。
一番分かりやすいのはジャンプ連載のワールド・トリガーですかね。
私、あれ大好きなんですが、キャラの名前をたまに間違えたり思い出せなかったりします。
キャラ付けのバリエーションが豊富なので、キャラの見分けはつくんですけどね。
実際「キャラの区別がつかない」なんて意見も少なからずあるようですしね。
でも、私的にはワールド・トリガーは成功例ですね。
ワールド・トリガーはいわゆる非現実ものなので、命名方法は1番の方が良かったかも、ということでしょうか?
いや、今のやり方じゃないと、ここまでの評価はなかったと思います。
1番の方が楽ではあったでしょうが、非日常型で、ここまでキャラに親しみがわくのは日常にある名前をキャラに付けているからに他ならないと思います。
非日常型はまた違うと。
では日常型でいくと、何か良い例はありますか?
日常型で普通の名前となると、やはり薄味といいますか、印象に残る名前にするのは難しい。
はずなんです。
それを覆す、圧倒的存在感を出すキャラが稀に存在します。
分かりやすく言うと、アカギとかクロサワとかトネガワとかハンチョウとか。
ああ、福本先生の作品全般ですね。
ハンチョウは名前じゃないですけど。
班長といったらあのチンチロ班長だからね。
あと、別の作者で言えばアキラさんとか?
彼岸島ですかね?
一部のネットでは確かにアキラといえば丸太というほど浸透してますね。
一般的な名前がこれほどまでのネームバリューを持つのは奇跡に近いと思います。
福本先生は化け物や・・・
まぁ必ずしもキャラのネームバリューを必要とするわけではありませんがね。
それは確かにおっしゃるとおり。
でも、キャラの名前だけで作品が伝わるというのは本当にすごい武器。宣伝的にも。
さて今回はこんなところですかね。
結論を言いますと、名前なんか好きに付けたら良いのでは?
ただし、メリット・デメリットを加味したところで名付けた方が、当然作品にとっての有利にもつながります。
前にも言いましたが、読んでもらえないことには始まらない。
うむ。
さて次回はどうしようかと悩み中。いよいよ私のキャラ作りの方に行くのか、ほかの基本に触れるのか・・・
・・・まぁ今回で、海老さんの脳内がどうなってるのかは大体分かりました。
海老さんのキャラ作り過程はある意味楽しみではあります。
君のツッコミ台詞がどこまでデカくなるのかも楽しみではある。
うむ、では次回は未定ということで。
書くのは近日中、あるいは大悟郎最新話公開後、となります。
ああ大悟郎。私も出てるんですよね。
よろしくお願いします。
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