第31話 旅費の節約の仕方 ~まさかの作戦~

文字数 1,748文字

旅費の節約の仕方 ~まさかの作戦~

学生の長期の旅では旅費の節約も課題となる。
旅を充実させる為にも節約ポイントはおのずと絞られる。

学生二人の気ままな旅であるが、やはり学生であり資金がそれほどない。
よって長期の旅をするには、どこかで節約する必要がある。
旅費の節約の方法は大きく分けて2つある。
まず一つ目の節約ポイントは……
――食費
ある程度、オーストラリアらしい食べ物も食べたいが、24日間に渡る旅の為、食事にお金を多く費やすわけにもいかない。
とは言え、大学生である。お腹も空くし、それなりに沢山食べる。
なるべく量が多くて安い食事をしたいわけである。
ところが、そんな私たちにもってこいの食べ物があった。
それがフライドポテトである。これは日本でもそうだが、オーストラリアの各所で売られている。しかし、日本のそれと大きく違うところがある。
それは値段と量である。
ほんの数百円も出せば、驚くほど大量のポテトが食べられる。
勿論、店にもよるが、私が注文した店ではB5サイズくらいの白い紙袋に、これでもかと言わんばかりにポテトが詰められていた。
お会計を済ませ、ポテトを受け取った時に、ズシリと「重っ!」と感じた。
当時の私はかなりの大食いの部類ではあったが、あまりの量の多さに1回では食べきれないこともあった。
これをコーラなどの炭酸飲料と食べれば、わずか数百円でお腹を一杯に満たすことができた。
流行歌に「コーラでポテトを流し込む」というような感じの歌詞があったが、まさにそれ。
勿論、たまには良いものも食べたが、お金を節約したい時には、この「ポテトをコーラで作戦」で乗り切った。
あと、観光地では「カカドゥツアー」「シュノーケリングツアー」など様々なツアーが企画されている。
そのツアーに参加すると、大抵は食事がついていて、それがビュッフェであることが多い。
その為、ツアーに参加する前には、なるべく食べないようにしてお腹を減らしておき、ビュッフェで思いっきり食べるといった学生ならではの作戦も効果的である。
ただし、せっかくの異国での旅。その地でしか食べられないモノもある。
そんな時は、一点豪華主義でドンと良いモノを食べることも忘れてはならない。
たとえば、旅の最終日には思いっきり贅沢して食べると決めておき、その為のお金をプールしていくわけである。
続いて、二つ目の節約ポイントは……
――宿泊費
ははぁ、安宿に泊まるのだな、と思われただろうか。
じつはそうではない。それは序の口!さらにその上をいく方法がある!それは……
――長距離バス!
出た!そう、以前お話しした(第26話)あの苦行の長距離バスである。
水曜どうでしょうのミスターと大泉洋氏が異様に嫌がる、あの長距離バスである。
長距離の移動をする際、夜間の時間帯をチョイスしバスで眠れば、なんと!宿代無し!
しかも寝ている間に目的地に着く。さらには夜間に移動すれば昼間の時間はすべて観光に当てられる。
夜間の長距離バスを使えば、日中の時間も思いっきり使え、宿泊費を浮かすことも出来る。まさに一石二鳥の作戦である。
しかしながら、あの狭いシートでガタゴト揺れるバスの中で眠るのは、非常にツライ。
それなりの覚悟は必要である。
この旅の中で1度だけ、気合を入れてバスで二連泊したことがある。
――まさかの長距離バス二連泊!
これはまさに苦行。通常ならば、バスで一泊して、どこかの街で途中下車し、安宿で一泊する。ところが、私と広沢は宿代を浮かす為に、途中下車をせず、バスの中で二連泊をしたのである。
結果は、ご想像の通り、身体中がバキバキに痛くなった。
(まぁ、男子学生であれば、そのくらいのことであれば平気である)
とは言え、バス泊はお金と時間を節約するにはかなり有効な方法である。
ただし、気合の二連泊はおすすめできない、といったところである。

少しの工夫で時間と旅費の節約は可能。
自分たちに合った方法を選択することが大切である。
そうである。

――じつのところ誰の人生にも「まだ見ぬ」が無限にある

旅はそれを私たちに教えてくれるのである。

【旅のワンポイントアドバイス31】
時間と旅費に関しては自分たちに合った工夫することで、より一層旅を充実させることができる。気合の入った節約法もそれはそれで旅の良い思い出となる。


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