第87話 緊急事態発生!
文字数 786文字
腹を壊しやすいメシヤが、トイレに急行した。
「料理人がお腹を壊しやすいって、問題ありよね」
またか、という表情のマリア。
「もう腹巻きしていいんじゃなイ?」
さすがに暑すぎる。
「でもメシヤさま。よくここにトイレがあると分かりましたね」
観光地ではあるが、田舎道の人里離れたスポットであった。
「出掛けるときは絶対チェックして行くんだよ」
王子のように颯爽とハンカチで手を拭きながら、戻ってきた。紙も王子であった。
「飲食店でせっかく見つけても、共用だったり埋まってたりすることがあるわね」
共用が苦手な人も多かろう。
「やっと見つけても、それではピンチ継続中だ」
諦めていなくても、空きがなかったら試合終了だ。
「個室が多くてゆったり出来るかもポイントですわ」
高速道路のSA・PAは比較的安心だろう。
「大型スーパーやホームセンター、ドラッグストアなんかハ、店構えが大きいから大丈夫だと思っちゃうけド、意外と個室が少なかったりするんだよネ」
個室トイレにもトナラー問題が発生する。
「そうそう。それで、トイレマップってのを自作してるんだよ。自分の生活圏は勿論のこと、出掛ける先のエリアもね。僕もゆっくりしたいから、広々としてて個室の多いところを中心に書いてる」
さながら、ハザードマップである。
「海外のトイレってさ、下っ側があいてるじゃない? あれ恥ずかしいわよね」
花も恥じらうマリアである。
「トイレは昔に比べたら格段に綺麗になったけど、もっと改善の余地はあるかな」
遊び心と美麗さも加えたい。
「色で分けてるのは増えましたが、toilet bowlはもっと工夫できそうですわ」
陶器メーカーの出番である。
「ペーパーホルダーやタオルホルダー、扉に床に鏡に蛇口。考えようと思えばいくらでも快適に出来るぞ」
「料理屋さんのトイレも個性が出るから、見るのも楽しめるよ」