第12話 努力→友情→勝利

文字数 607文字

「順序を間違えちゃいけないよ」
 メシヤの心はウブなのさ。

「友情・努力・勝利じゃなかっタ?」
 エリはいつでも楽しい夢を見ている。

「ジャンプの三大原則はそれなんだけど、敢えて順番を付けるならって話さ」
 メシヤはかなり上の世代のジャンプ作品も読み込んでいる。

「いまの漫画ってそういうのすっ飛ばしてないかしら? あたしがたまたま見た作品だけなのかな」
 修行シーンやレベル上げが嫌われるというのは、嘘だと信じたい。

「何もないところに友情など生まれないからな」
 めちゃくちゃにがむしゃらにカラッポに歩いたその先に、手を差し伸べてくれる友があらわれる。

「固い友情が結ばれたら、勝利は目前ですわ!」
 強かったねあいつは。どんなに仲間が裏切っても、澄んだ目をして歩いていた。

「何もしてないのにおこぼれをもらおうとするから、おかしくなるのよね」
 努力すれば報われる? 違うだろ、報われるまで努力するんだよ!

「結局は運っていうけど、どういう人に運が訪れるかって考えるとね」
 まっちゃんに、ホンマの実力見せてみい!と怒られてしまう。

 成功体験だけが良い経験ではない。失敗も貴重な経験ととらえてみてはどうか。勝って覚えたことに負けて覚えたことも加われば、より実りの多い人生になる。

「勝利至上主義が非難される変な世の中になっちゃったよね」
 錆ついたマシンガンで、今を撃ち抜こう。

「勝ち負けなんか重要じゃないって言ってる人間は、大抵負けるわね」
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登場人物紹介

奇特人間大賞・藤原メシヤ。

彼の元には、いつもハチャメチャが押し寄せてくる。

お転婆娘・安倍マリア。

ギャルであり、敬虔なシスター。

メシヤを止められるのは、マリアだけ。

江戸時代から脈々と続く、大手ゼネコンの御曹司、十九川イエス。

メシヤにとって無くてはならない、心の友。

イスラエルからの留学生・裁紅谷エリ(姉)。小柄だがフィジカルお化け。最初は身分を隠していたが・・・

同・裁紅谷レマ(妹)。エリは双子の姉。落ち着いているように見えるが、9マイル先のターゲットを錆びついたマシンガンで撃ち抜ける。

【東洋】あずまひろし。北伊勢市内のパチンコ店・エンペラーにて勤務。ろくに学校も出ていないが、父親のスパルタ教育により、体だけは頑丈。後輩・キョン子に、なぜかなつかれている。

【西本願寺京子】京都の名門・西本願寺家の長女。学年的にはメシヤたちと同じである。躾の厳しい実家を飛び出し、北伊勢市内のパチンコ店・エンペラーで勤務する。職場の先輩、東洋《あずまひろし》に、キョン子と呼ばれる。どうやらヒロシのことは以前から知っているようだが・・・。

【科納ニカル】かのにかる。科納エレクトロニクスの令嬢。子供向け番組『コンピューター・ニカルちゃん』で一世を風靡。ロンドンインペリアルカレッジを首席で卒業後は、神籬探偵事務所で助手を務めている。

【奈保レオン】なぽれおん。年齢、星籍不詳。メシヤと同じ1年G組に席を並べる。数学、歴史が得意。破天荒(誤用ではない)なメシヤの、良き理解者。

【ジェニー・オブライエン】人類史上最高峰の知性と評される宇宙物理学者。メシヤと日本贔屓。頭脳労働者のためか、結構な大食漢。研究所は大西洋の孤島だが、北伊勢市内にもよく出没する。

【必勝ミドル】ひちかたみどる。雲水翁の内弟子。凡庸な12歳であったが、五大所山の修行でメキメキと腕を上げる。先手必勝をモットーとする。

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