文字数 959文字

夏である。

朝からミンミンと元気に蝉が鳴く。
何で蝉はこんなに元気なんだ?
くそ暑いのに。
おかしいだろ?
蝉の体温ってあるのだろうか?
そりゃあるだろう。生きているのだから。
蝉の体温はどの位なのだろう。誰か計った事がある人はいないだろうか。
蝉は熱中症にはならないのだろうか?
僕はそんな事を考えた。

昨日の夜は僕の部屋の網戸にとまった蝉が「みーん。みんみんみんみん」とずっと鳴き続けて、うるさくて眠れなかった。
窓を閉めてエアコンを入れてあるのにうるさかった。
だって、頭のすぐそこで鳴いているのだから。
追い払っても追い払っても蝉はやって来た。
そして鳴いた。
夜なのに。
街灯が点いているせいか?
それとも温暖化のせいか?
体内時計が狂っているんじゃないか?
それとも単なる嫌がらせか?

僕は蝉に負けた。
タオルケットと枕を持ってリビングのソファで寝た。
明け方、自分の部屋へ移動した。
蝉は消えていた。
僕はぐっすりと眠った。

僕は狐と遊ぶ夢を見た。
二人でカンケリをする夢。
何度やっても狐にカンを蹴られて、僕は鬼から脱却できなかった。狐は高らかにカンを蹴り上げると、得意げにはははと笑う。僕は悔しくて地団太を踏む。

あいつを一度ぎゃふんと言わせてみたかった・・・。(あいつは自分自身なのだが・・・)
僕は眠りながらそんな事を考えた。
そんな夏休みのある日曜日。

母が僕のドアをノックした。
かちゃりと開けると言った。
「サトル。まだ寝ているの?お友達が来ているわよ。T町のお友達だって。あなたとすごく仲良しだったって言ってる」
僕は「うん?」と頭を上げた。
「こんた君って言う男の子」

僕はがばりとはね起きた。
そのまま玄関に走った。

ドアを開けると狐がいた。
高校生の狐。
やけにイケメンじゃないか・・・。

狐はにやにや笑いながら言った。
「神様のご意向でね。ちょっと睡蓮池の弁天様までお遣いに行って来いって」
「序にお前の所で少し遊んで行こうと思ってさ」
そして家の中を覗いて言った。
「お前の家、いい家だな」
狐は悪い顔でへへっと笑った。










*読んでくださって有難う御座いました。
10社って思ったよりもハードな企画でした。(笑)

5社終わった所でちょっとお休みをします。
6社目以降は夏が終わった辺りでスタートします。

とんでもなく暑いですね。早く涼しくなって欲しいですね。
どうぞご自愛ください。





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